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観測ロケットS-310-46号機

実験概要

実験目的

 中緯度電離圏高度で日中に発生するスポラディックE(Es)層の形成過程を中性大気・プラズマ大気・風・電場・磁場の直接観測により解明することを目的とする。この実験を通して、中性大気が支配的な地球大気圏からプラズマが支配的な宇宙空間への遷移領域における中性大気とプラズマ大気の結合過程を明らかにする。ここで開発される装置と得られる科学的成果は、中性粒子とプラズマが混在する地球・惑星・衛星周辺の他の領域の現象解明にも応用することを目指している。

実験方法

 世界的にもEs 層の出現頻度の高い東アジア域に位置する日本南部において、Es 層の出現確率の高い地方時12〜14時頃にS-310型ロケットを打ち上げ、上昇時・下降時の高度90〜130kmにおいて、中性大気・プラズマ大気・風・電場の総合的な直接計測を行う。この地方時は、Es層が発達しながら高度105km付近に到達し、中性大気とプラズマ大気の相互作用が強くなっている時間帯であり、電場と中性大気風のEs層形成における寄与の評価を行うことができる。ロケットによる直接計測に加えて、多地点における地上観測を実施し、ロケットで観測されたEs層の時間発展と空間的広がりを測定する。

搭載観測機器

搭載観測機器(略称) 測定項目
イオンドリフト速度測定器(IVA) イオンドリフト速度、イオン密度
電場計測器(EFD) 電場ベクトル
中性大気密度・風計測装置(IOG) 中性大気密度、中性風
インピーダンスプローブ(NEI) 電子密度
中性大気質量分析器(NMS) 中性大気組成
磁場観測装置(MAG) 磁場ベクトル
ラングミュアプローブ(FLP) 電子温度・密度
     
観測ロケット実験のイメージ図
観測ロケット実験のイメージ図

補助的基本装置

観測ロケットS-310-46号機の補助的基本装置をご紹介いたします。