第30回(2020年度)日本航空宇宙学会技術賞 受賞(2021年4月)~「はやぶさ2搭載MINERVA-IIローバ」~

2021年4月20日に「はやぶさ2搭載MINERVA-IIローバ」にて2020年度日本航空宇宙学会技術賞(プロジェクト部門)を受賞しました。

「MINERVA-IIローバ」は、2018年9月21日に小惑星探査機「はやぶさ2」から分離され、小惑星RYUGU表面に着地、その後、小惑星表面の移動探査に成功しました。ミッション期間中、小惑星表面のさまざまな画像を取得、「はやぶさ2」 のタッチダウンにも貢献しました。「MINERVA-IIローバ」は、日本の最先端技術が盛り込まれ、ホッピングメカニズム、未知環境適応能力、小型・軽量・低消費電力システム、 自律探査行動、科学観測(表面ステレオ画像・温度計測)などの機能を有しており、世界で初めて、小天体での移動を行い、宇宙工学分野に大きな貢献をしました。

受賞者の冨木淳史准教授(宇宙機応用工学研究系)、吉光徹雄准教授(宇宙機応用工学研究系)、久保田孝教授(宇宙機応用工学研究系)(左から)

受賞者のコメント

吉光徹雄 宇宙機応用工学研究系 准教授
MINERVA-IIローバが小惑星Ryuguの表面を移動探査したことを評価していただき、誇りに思っています。開発には多くの困難がありましたが、同時に受賞した外部の技術者や、はやぶさ2の運用担当者に助けられて、良い結果を出すことができました。これを皮切りに、日本発のロボットによる 月・惑星・小天体表面探査が活発になることを願っています。

冨木淳史 宇宙機応用工学研究系 准教授
宇宙研の独創性と、それを支える多くの企業により技術的困難を乗越えて、素晴らしい成果を残すことができました。その功績が高く評価されましたことを嬉しく思います。 日本の強みである超小型ローバを活用した 探査の更なる発展を願っています。

久保田孝 宇宙機応用工学研究系 教授
世界で初めて、小天体表面の移動探査に成功した探査ローバを高く評価していただき、大変光栄です。はやぶさ初号機に搭載したミネルバは残念ながら小惑星表面に着陸できず、その後継機が見事、リベンジを果たしました。重量約1kgの小型ロボットですが、人工知能を搭載した賢いロボットで、表面画像を地球に送ってくれました。日本の技術はすばらしく、開発に携わった方々はじめ、みなさまに感謝申し上げます。

受賞情報

受賞年月日 受賞者 受賞内容
2021/04/20 吉光徹雄久保田孝冨木淳史 (JAXA)、廣瀬智之、須藤泰志、藤村 優 (デジタル・スパイス)、足立忠司 (セシアテクノ)、朝倉義信、大江和広、関根一秀、藤松拓也 (nittoh)、中谷一郎 (愛知工科大)、はやぶさ2プロジェクトチーム (JAXA) 第30回(2020年度)日本航空宇宙学会賞(技術賞 プロジェクト部門)「はやぶさ2搭載MINERVA-IIローバ」日本航空宇宙学会

関連リンク