美笹深宇宙探査用地上局(MDSS)

インテグレーション試験


はやぶさ2 X帯電波の受信成功!
2019年12月17日

 GREATプロジェクトでは、2018年12月15日のアンテナ外観公開以降、アンテナサブシステム、送受信サブシステム及びX帯低雑音受信増幅装置の単体試験に続き、これらを組み合わせた受信系のインテグレーション(総合)試験を進めてきました。

 その結果、2019年12月16日(月)の明け方5:00〜7:00(日本時間)において、小惑星探査機「はやぶさ2」からX帯(電波の周波数帯域の名称:8GHz帯)で送られるテレメトリ信号の受信に成功しました。
 今回の「はやぶさ2」からの信号の受信により、美笹局の開発で掲げている目標の1つを達成できました。

 引続き、別の周波数帯(Ka帯:32GHz帯)で送られる信号の受信や、X帯(7GHz帯)での指令信号等の送信の確認を行い、2021年4月からの本格稼働を予定しています。

 以下の写真は試験時の現場の状況と受信した信号のスペクトラム画像(受信信号を周波数ごとの強さで画像に変換したもの)です。


↑美笹深宇宙探査用地上局での受信風景(アンテナ駆動)

↑美笹深宇宙探査用地上局での受信風景(アンテナ駆動)

↑受信信号のスペクトラム画像(縦軸が受信強度、横軸が周波数)
※スペクトラム画面の中心に立っているものは中心周波数です。その両サイド立っているものは副搬送波周波数といい、これにテレメトリ信号が含まれています。
はやぶさ2 Ka帯電波の受信成功!
2020年4月9日

 GREATプロジェクトでは、昨年12月16日に成功した小惑星探査機「はやぶさ2」からのX帯信号の受信(8GHz帯)に引き続き、4月8日 午前3時15分頃(日本時間)にKa帯(32GHz帯)信号の受信に成功しました。

 Ka帯による深宇宙探査機信号の受信は国内で初めてとなります。

 Ka帯の利用により探査機からのデータ伝送量をX帯に比べて増加させることが可能な見込みであることから、今後の探査機運用に大きく寄与することが期待されています。

 今回の「はやぶさ2」からのKa帯信号の受信成功により、残すは新規開発中の固体電力増幅装置を用いたX帯(7GHz帯)による指令信号等の送信確認のみとなります。 この確認を経て、美笹局は2021年4月からの本格稼働を予定しています。

 以下の写真はアンテナによる「はやぶさ2」の追尾状況と受信した信号のスペクトラム画像(受信信号を周波数ごとの強さで画像に変換したもの)です。



↑美笹深宇宙探査用地上局での受信風景(「はやぶさ2」を追尾中のアンテナ)

↑受信信号のスペクトラム画像(縦軸が受信強度、横軸が周波数)

※スペクトラム画面の中心に立っているものは中心周波数です。その両サイド立っているものは副搬送波周波数といい、これにテレメトリ信号が含まれています。

「はやぶさ2」への指令信号の送信に成功!
2020年10月6日

 GREATプロジェクトでは、2020年10月5日 19:30〜22:30(日本時間)にかけて、小惑星探査機「はやぶさ2」に対するX帯(電波の周波数帯域の一つ:7GHz帯)による指令信号の送信に成功しました。
 今回の「はやぶさ2」への指令信号の送信により、美笹局の開発で掲げている目標を全て達成できました。
 引続き、はやぶさ2を用いた試行運用を行い、2021年4月からの本格稼働に向けた準備を行います。

 なお、X帯の指令信号を増幅する大電力増幅装置として、深宇宙用7GHz帯としては世界初※の
固体電力増幅装置(SSPA)を新規開発し美笹深宇宙探査用地上局に導入しました。

※ 深宇宙用の局は国内外に存在しますが、いずれも米国製クライストロン(マイクロ波用真空管の一種)を用いた送信機を使用しています。

「はやぶさ2」の見え始める方向(この日は北を0度として時計回りに30度程度回転させた方向)にアンテナを指向させたときの動画です。高速再生していますので早く見えますが、実際には1秒間に1度の速度で動いています。




 以下は54mアンテナによる「はやぶさ2」の追尾中の写真です。観測時間帯はあいにく霧が濃い状態でした。アンテナには注意を促す警報ランプが2つ付いており、赤色はアンテナ駆動中、黄色は電波発射中を意味しています。下の写真からどのような状態であるかお判りになるでしょうか?






 以下は「はやぶさ2」の追尾終了間際の映像です。この時は霧も無くなっていました。(高速再生しています)



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