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ASTRO-F(FM)姿勢軌道制御系機能性能評価試験

 ASTRO-F衛星の搭載機器のうち,特に姿勢制御,軌道制御に使用する機器の機能・性能を確かめるため,8月19日〜12月13日の期間にC棟姿勢系試験室おいて評価試験を行いました。宇宙空間での衛星の動作を評価するため,姿勢軌道制御装置(AOCU)にダイナミクスシミュレータと呼ばれる計算機を接続して衛星の姿勢・軌道運動を模擬し,太陽センサ,恒星センサ,ジャイロなどの搭載機器の出力する信号を擬似的に発生させてAOCUへ入力します。AOCUはこの信号および指定されたコマンド指令に基づいて姿勢軌道制御の演算を行い,リアクションホイール,磁気トルカ,推進系スラスタへの駆動信号を出力します。これをダイナミクスシミュレータに取り込むことにより,軌道上の動作を模擬することができ,いわゆる静的閉ループ試験(SCLT)を実現しています。

 本試験ではAOCUの機能・性能評価とともに,各センサ等の搭載機器の評価も行うため,上記擬似信号の部分は適宜実際の搭載機器の出力を併用しています。実際の試験は,各搭載機器とダイナミクスシミュレータが机の上にならべられて相互に接続された地味なものでありました。

(橋本 樹明) 


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相模原局3mアンテナ

 工学技術実証とオーロラ観測を目的とする小型衛星INDEXは,現在新A階の次世代探査機センターでFM一次噛み合わせ試験に入っている状況です。この衛星の目的の1つに簡易地上局による衛星運用があり,新A棟屋上のアンテナはこのために設置されました。

 11月8日KSCから輸送された3mアンテナは,50tクレーンで中庭から地上高34mの新A棟屋上につり上げられ,相模原局として設置されました。主反射鏡は900MHzのロケットテレメトリ受信用に,ペデスタルは風向風速レーダとして,かつてKSCで使われていたものです。いずれもロケットテレメータセンターで内之浦の潮風に数十年さらされていましたが,この度お化粧直しをして相模原でINDEX運用のために活躍してもらうことになりました。周波数S帯,アンテナ直径3m,駆動速度10°/秒,送信出力100Wで大容量のオーロラ観測データをKSC20mアンテナに頼る以外は,INDEX運用は相模原局で行うことが可能です。

 夜間ライトアップすると白いアンテナがとても綺麗(写真)で,新人のI技官は「新しいデートスポット」と評していましたが,アンテナは夜間も赤外カメラで監視されておりますので,その目的に適当な場所ではないと思います。

 来春には駆動系,RF系の調整を終了し2004年に予定されているINDEX打上げを待ちます。

(水野 貴秀) 


3mアンテナと相模原の夜景
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M-V-5号機TVCオペレーション

 いよいよ5月に迫ったM-V-5号機の打上げのための準備の先陣を切って,12月12日〜19日TVCオペレーションがKSCにて行われました。このオペは従来の第組立オペのうちTVC部分を先行的に独立させたもので,ロケットを組み立てる前にTVC(ロケットの推力の向きを制御する装置)の機能と性能を確認しておくことが主な目的です。このオペを引継ぐ形で,今月には第組立オペでロケットとノズルを結合し,来月には第組立オペでロケット全体の組立てと搭載機器の総合的なチェックを行います。

 これまでISASニュースで何度か紹介してきましたが,M-25モータの登場により,M-VTVCは全て可動ノズルになりました。新開発の第段アクチュエータは熱電池駆動の大型電動モータで,約200Vという高電圧を要するために地上設備も更新しています。

 さて,TVCならぬTBC(注)と呼ばれていたTVC班にかつての面影はかけらもなく,明るく元気よく動くノズルは頼もしい限りです。我々にとっては,約3年間の試練を乗越えての復活戦であり,また,改良型M-Vロケットの初フライトでもあります。打上げまでしっかり気を引き締めて進まなくてはなりませんが,小惑星探査という壮大なミッションに向けて,幸先のよいスタートが切れたと思います。

(注)TBC:Trouble Boys Company

(森田 泰弘) 

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再使用ロケットエンジン燃焼試験 RVT-7

 12月上旬から中旬にかけて,再使用ロケット実験機のエンジン単体地上燃焼試験を石川島播磨重工ロケット試験センター(兵庫県相生市)にて実施しました。将来の完全再使用型ロケットを実現するためにはロケットエンジンの高いレベルの信頼性・耐久性が求められます。このため,エンジンの信頼性・耐久性の向上を目指して,再使用ロケット実験機のエンジン噴射器の改良に取り組んできました。今回の試験は噴射器改良後の初めての試験で,新しい噴射器を組み込んだエンジンの性能を把握することが目的です。

 実験班は宇宙研から5名IHIの設計・現場の方々が約10名。実験が始まった当初はIHIの方々のペースで進められ,ちょっとだけ肩身が狭い気もしましたが,準備段階で次々に起こるトラブルに宇宙研・IHI全員の知恵を絞って対処していくうちに,すっかりいつもの能代でのRVTペースです。エンジンに火がつくまで毎日ドタバタ,火がついてからも夜中までドタバタ。しかし気が付いてみればあっという間に予定していた試験ケースを全て無事完了。今後の試験につながる重要なエンジン性能データを得ることができました。実験データだけでなく,試験期間中に次から次へと生じた問題とその解決策はとても貴重な経験となりました。山に囲まれてなかなか日のあたらないスタンド点で寒い中作業をされたIHIのみなさん,毎晩遅くまでデータ解析し,町で唯一の深夜営業をしているファミレスに駆け込んだ宇宙研実験班のみなさん,ご苦労様でした。次は複合材タンクの実液加圧試験,エンジン・タンクを実験機に組み込んでの地上燃焼試験,そしてフライト試験とどんどん進んでいきます。

(野中 聡) 

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S-310-31,32号機(SEEK-2)の初期結果

 スポラディック層に伴う準周期エコーの構造と成因の解明を目指して8月3日の夜半に内之浦から打ち上げられたS-310-3132(SEEK-2)ですが,搭載各機器のデータ解析が始まり初期結果が出始めています。スポラディック層に関連した電子密度の変動や電場の変動などが観測されており,11月11〜14日の日程で電気通信大学にて開催された地球電磁気・地球惑星圏学会においては口頭発表5件,ポスター発表1件6件の発表がSEEK-2実験関連で行われました。また,本来の実験目的とは別に写真に示すようにTMA放出に伴ってTMAとは別の発光現象が捕らえられており,その発光機構についても興味が持たれています。今後各機器の詳細な解析に伴ってスポラディック層に伴う準周期エコーの構造と成因に関して様々な事が明らかになると期待されます。

(早川 基) 


高知県幡多において京大・クレムソン大の観測によって撮影された 
TMA放出実験に伴う発光の写真。右側上部の螺旋模様に見える部分と
左側上部の濃い線状の部分がTMAによる発光。中央から左にかけての
下側半分に見える薄く幅広い部分が問題の発光現象。       
TMAの発光が螺旋模様に見えるのは大気の運動によるもの。    
           (写真提供: クレムソン大学M.F.ラーセン教授)
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  MUSES-C 月報−1


MUSES-C総合試験

 搭載装置の一部に点検を行っていたため,中断していたMUSES-C探査機の総合試験が11月から再開され,12月上旬に最終の機械環境(振動)試験を終了しました。あとは1月に最終の熱真空試験,重量など慣性諸量の測定を終え,機能確認を終えれば,内之浦町の射場へ搬出となる予定です。探査機の射場作業は,3月中旬から開始の予定です。スケジュールは大変にきびしく,土曜日は打上げまで全てふさがり,日曜も作業する日が見込まれています。

 打上げが近づくにつれて,しだいに世間の関心も高まっているようで,探査機の見学をされる方もどんどん増えてきました。クリーンルームの拡張前には,監視室からガラス越しに,無塵服で作業をする方の目線で衛星や探査機を見学いただけたのですが,拡張後は,2階の廊下の端の窓からご覧いただくようになってしまいました。ASTRO-Fと両方が並んで試験中のときは壮観でしたが,今はやや距離があるようで,いささか申しわけないなという気がします。全ての方をクリーンルームにまでご案内できないのですが,この点はご容赦いただきたいところです。

 世界中のみなさんからお寄せいただいたお名前を載せたターゲットマーカも搭載されました。このマーカは,MUSES-C探査機本機にさきがけて,小惑星上に投下されることになっています。このマーカには別な名前をつけてもよいかなと考えたりしています。

(川口 淳一郎) 

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ISASニュース No.262 (無断転載不可)