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小惑星探査機 はやぶさ

電気推進

イオンエンジンの運転状況

「はやぶさ(MUSES-C)」の鍵となる要素技術のひとつに電気推進エンジンがあります。探査機は、M-Vロケットによって地球引力から脱出し、小惑星へ向かう軌道に 入りますが、その後の地球と小惑星との往復の軌道上では、電気推進が軌道変更を担います。

「はやぶさ(MUSES-C)」で使われる電気推進エンジンは、まず、マイクロ波によって推進剤のキセノンをイオンに電離します。次に生成したイオンを強力な電場で加速、高速で噴射させ、その反動を利用して推進力を得ます。

電気推進エンジンは、従来の(燃料と酸化剤を燃焼させるような)化学推進エンジンと比べて、燃料の効率が良いことが知られています。その一方で、その推進力は極めて小さいため、化学推進エンジンと同じだけの軌道変更を行うためには、非常に長い時間、連続して作動させなければなりません。
それでも燃料の効率が高いことは非常に大きな魅力であり、将来の惑星探査などで、広く利用されることが期待されています。

「はやぶさ(MUSES-C)」の開発にあたっては、このエンジンの耐久性能を確認するため、18,000時間を超える寿命試験を実施し、その高耐久性能を実証しました。