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はやぶさ近況
  Space Pioneer Awardを受賞


「はやぶさ」

 5月6日にロサンゼルスにて行われたInternational Space Development Conference(ISDC 2006)で、米国のNational Space SocietyからSpace Pioneer Awardを授与いただきました。

 最初、授与の連絡をJAXAワシントン駐在事務所にいただいたのですが、正直なところ、半信半疑でした。

 同賞は、昨年はSpaceship-1のPaul Allen氏と、Mars Exploration Rover Team、それにCassini Huygens ProjectのBoris Smeds氏が受賞し、今年はNASA長官Mike Griffin 氏、民間ロケット機Space-Xの開発で有名な Elon Musk 氏と、Hayabusa Project Teamが受賞しています。

 同societyのもう一つの賞である、SF作家Robert Heinlein氏のMemorial Awardは、本年は歴史的にも著名な、実験機X-1 で世界で初めて音速を超えたパイロットである(すでに退役していますが)Charles Yeager氏に授与されることになりました。受賞式典には、同氏の代理のYeager Foundationと、我々Hayabusa Project(川口、上杉)が招待されました。これ自体が、すでに大変な名誉だと思っています。

 受賞に当たり「新しい技術によって地球接近小惑星イトカワを訪問し、科学知識を拡大した」という受賞理由と両名(川口、上杉)の紹介をいただき、続いて、賞紙と月面を模した記念トロフィーの授与を受けました。と、その瞬間、受賞式典に参列していた約300名の参加者は総立ちとなり、会場は我々に繰り返し拍手を送る状況に急転しました。NASAの10分の1、そのまたごくわずかのリソースで試みた小さなミッションだったわけです。スタンディング・オベイションの栄誉に浴するなど、まったく予想だにしなかったことで、大いに戸惑いました。米国宇宙関係者の、挑戦に対する人種を超えた大いなる理解と、挑戦に寛大な文化に、大きく感動したところです。

 賞紙は、「はやぶさ」運用室に飾りたいと考えています。トロフィーは、あつかましいかもしれませんが、本部長室に置かせていただければと思っております。

 日本国内よりも米国で評価をいただいたのは、ある意味では皮肉なことではありますが、これを励みとして、「はやぶさ」の地球帰還に向け、なおいっそう運用に努力を傾注・継続してまいりたいと思います。

Space Pioneer Award受賞式典(米国ロサンゼルスにて)。
上杉邦憲先生がこちらを向いている写真を待っていたのですが、入手できませんでした。
上杉先生、すみません。

(川口淳一郎) 


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