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6.総合試験
ASTRO-Dは、1992年4月から1993年1月まで、宇宙科学研究所の相模原キャンパスの飛翔環境試験棟において、徹底的な試験に供されました。ASTRO-Dの性能を点検・検証してミッションの成功を確かなものにするために、さまざまなテストが繰り返し行われました。衝撃試験、振動試験、動釣り合い試験、熱真空試験などなど。この期間に行った試験は以下の通りです。
内容 | 年月 |
---|---|
機械的インターフェース・チェック | 1992年4月 |
太陽電池パドル展開試験 | 5月 |
サブシステムの電気試験 | |
X線望遠鏡・EOBアラインメント | 6月 |
第1回動釣り合い試験 | 7月 |
EOB伸展試験 | |
総合機能試験 | |
衝撃試験 | |
振動試験 | |
熱試験 | 8月 |
衛星ベーキング | 9月 |
パワーシステム試験 | |
ロケットとのインターフェース | |
熱真空試験 | 10月 |
衛星ベーキング/アウトガス測定 | 11月 |
XRT/センサー・アラインメント | |
第2回動釣り合い試験 | 12月 |
重量・重心測定 | |
慣性モーメント測定 | |
太陽電池パドル展開試験 | 1993年1月 |
総合機能試験 | |
鹿児島宇宙空間観測所に向け発送 |
これらのテストとは別に、衛星は宇宙科学研究所のスペースチャンバー内で2回、60度であぶられました。X線反射鏡の反射効率は、反射面の汚れによって非常に大きく左右されるので、衛星が地上にあるうちにできるだけベーキングしておいて、軌道上でのアウトガスを可能なかぎり減らさなければならないからです。衛星のベーキングには合計3週間くらいかけましたが、アウトガスの量が目標値を十分には越えませんでした。そこで反射鏡の温度を衛星の平均温度と同じくらい高くするために、X線望遠鏡のケースにじかにヒーターを当てました。それは打上げの4ヶ月も前のことでした。
1993年1月、長期にわたる総合試験を終了したASTRO-Dは、鹿児島宇宙空間観測所(現内之浦宇宙空間観測所)に運ばれ、打上げロケットM-3SIIロケットに据え付けられました。