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SELENEの噛合せ試験進行中



噛合せ試験中のSELENE衛星

 月周回衛星SELENEの電気的・機械的インターフェイスを確認するための噛合せ試験が,現在筑波宇宙センターの総合環境試験棟(SITE)で行われている。衛星に観測機器を組み付けた状態での電気総合試験は,噛合せ試験の一つの山場であるが,年末から年始にかけて実施し,無事完了した。2月には電波試験棟,磁気試験棟に場所を移し,電磁干渉試験を行う予定である。電波試験棟では電波干渉試験に先立ち,リアクションホイールなどから発生する微小振動が高感度のセンサに悪影響を及ぼさないことを確認するためのマイクロフォニック試験も行う。

 SELENEは,大きさが約2m x 2m x 5m,重量が2.9トン弱と,科学衛星としては巨体のため,各試験に時間がかかり,現場の担当者としてはこの半年苦労の絶えない日々が続いている。このまま順調に進めば,3月には噛合せ試験の全作業を完了し,衛星はいったん分解される。その後,各観測機器は単体環境試験を行い,2004年秋から予定している総合試験に備えることになる。

(飯島祐一) 


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「おおすみ」郵便切手に!

 日本郵政公社は,日本の科学技術を題材にした郵便切手「科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロイン・シリーズ第集」の中に,「おおすみ」を選びました。一世を風靡(ふうび)した「ガッチャマン」と同じシートに載って,2004年3月23日(火)に発行されます。

 「おおすみ」は日本初の人工衛星で,1970年2月11日,鹿児島宇宙空間観測所から打ち上げられ,発射場のある大隅半島にちなんで「おおすみ」と命名されました。これで日本は,ソ連,アメリカ,フランスに次いで,世界で4番目の衛星自力打上げ国になりました。

 「おおすみ」は33年間地球を回り続けていましたが,2003年8月2日に大気圏に突入し,長い長い旅路を終えました。そしてその2カ月後機関統合により宇宙科学研究所もJAXAの宇宙科学研究本部として新しい道を歩むことになりました。

 実は,2000年2月11日の「おおすみ」打上げ30年にあたり,「記念切手発行」を日本郵政公社に依頼したことがありました。宇宙先進国の仲間入りの象徴である第号衛星を生み出してから30年の月日が流れたことを記念することは,日本国民の共通の誇りを思い返し,鞭撻(べんたつ)する意味で重要であるという的川先生の発案で,1999年6月に申請しました。審議会まで提出されたのですが,そのときは残念ながら選ばれませんでした。なんと今回は,日本郵政公社側からの提案だったのです。

 今回の切手発行は,宇宙研の活動について内外の関心と理解を深める上で,極めて意義の大きい事柄ではないでしょうか。

(渡辺遊喜枝) 



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シンポジウム「月で拓く新しい宇宙開発の可能性と日本」開催
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ISASニュース No.276 (無断転載不可)