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宇宙科学の最前線

小型高機能科学衛星INDEXの開発

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小型衛星で行う特色ある理学観測

 INDEXの理学観測ミッションは,ISASの理学委員会により公募選定されたオーロラの微細構造の観測ミッションです。多波長オーロラカメラ(MAC;Multi-spectral Auroral Camera),プラズマ粒子観測器(ESA/ISA;Electron/Ion energy Spectrum Analyzer),電流モニタ (CRM;CuRrent Monitor)が搭載され,理学データ処理装置(SHU;Science data Handling Unit)を合わせたミッション機器の総重量は約11kgです。同じ場所からオーロラ発光とプラズマ粒子の分布を観測し,従来困難であったそれらの間の微細構造の対応付けを試みるものです。このような理学観測の目的にかなうよう3軸姿勢の安定性はもとより,観測中は粒子計測に影響を与える磁気トルカ(MTQ)の使用を禁止するなど,衛星姿勢制御を最適化しています。


打上げに向けて!

 INDEX衛星の開発の初期には,衛星メーカーを退職されたOBの方の支援を受けて衛星設計を行っていましたが,2003年ごろからは,ISAS主体で開発を進められる体制になっています。衛星の電気試験や環境試験もISAS内部で実施し,必要に応じて随時衛星開発の経験者に個別の技術的指摘を受けるような体制になっています。現在,来るべき打上げに向けて,チーム一同,日々気を引き締めてFM試験を行っているところです。衛星開発の過程で,陰に陽にご協力いただいたISAS内外の関係の方々にお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。

(さいとう・ひろぶみ,ふくだ・せいすけ)



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