宇宙科学研究所 火星本星着陸プログラム所内検討タスクフォース
国際宇宙探査センター 火星着陸探査プログラムSTEP1ミッション定義フェーズ活動チーム

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2026年2月20日から3月16日にかけて、火星着陸探査プログラムにおける意見・機器提案の募集を行いました。地球惑星科学、生命科学など、様々な分野の科学コミュニティから多くの貴重なご提案をお寄せいただいたとともに、工学的な観点を含め、新たな視点からのご意見・ご提案を数多く頂戴しました。意見募集の結果概要を別紙1に示します。

 今後に向けた総評としまして、第1段階となる2030年台前半の火星着陸機および周回機によるStep 1ミッションに限らず、将来火星着陸探査に向け、プログラム的/戦略的に日本の火星探査を進める上での後段のStep 2-3に及ぶアイディアも数多く提案され、「日本の国際宇宙探査シナリオ案2025」への反映などに資する有益なご意見として、日本の将来火星探査に向けた検討においても大変参考になるものでした。

 周回機に関しては、オーロラ観測や粒子・プラズマ計測、磁場観測などを通じて、火星大気と宇宙環境の相互作用や大気散逸過程の理解を目指す提案に加え、大気・水循環の解明に資する観測提案が寄せられました。これらは、Step1の科学目標である火星大気ダイナミクスの理解に貢献するとともに、着陸機観測と連携し、火星環境進化の解明に向けた重要な知見をもたらすものと期待されます。

 着陸機向けには、気象計測や大気組成観測、地下探査、鉱物・地質分析など、Step1の主要科学目標に直接貢献する多数の提案が寄せられました。特に、地下に存在する水の量や状態の推定や火星内部構造の理解に資する提案が多く見られたほか、後続のStep2・3を見据えた水の貯蔵量および散逸過程や生命生存環境の解明に向けた将来探査へと発展可能な観測・分析技術の提案も寄せられました。

 工学分野では、複数の小型ロボットやローバ、飛躍・歩行ロボット、ドローンや羽ばたき飛翔体など、火星環境に適応した探査システムに関する提案が数多く寄せられました。また、着陸時プリューム観測や地盤特性評価、編隊飛行技術など、将来の火星着陸探査や探査活動基盤の構築につながる技術実証提案も含まれており、日本の強みとなる探査技術の発展に資するものと期待されます。

 ご提案頂いた内容については、STEP1ミッション定義フェーズ活動チームメンバで共有し、大気・火星内部のダイナミクス、水の量や状態の推定など、今後のミッション定義活動でのミッションの意義やインタフェース条件などの検討を進めています。また、今回のアンケート結果を参考にしながら、宇宙科学と国際宇宙探査の連携をどのように進め、お互いにとってよい関係を構築できるかを継続して検討していく必要がありますので、コミュニティの皆様との連携を進めていきたいと考えております。

 引き続き、皆様からのご支援を宜しくお願いいたします。