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RATS-L

エアロシェル展開型データ回収システム
(RATS-L)

RATS-L

◆RATS-Lシステム全体質量:約21kg
◆突入部の質量:約10kg
◆RATS-Lシステムのサイズ(エアロシェル収納時):直径約370mm×高さ約585mm
◆突入時の突入機のサイズ(エアロシェル展開時):直径約2.5m×高さ450mm

 大気圏突入技術は、惑星探査を支える技術として観測器を惑星表面に送る、惑星サンプルを地球に持ち帰るための唯一の方法である。その中でも、展開型エアロシェルを利用した大気突入システムは、新しい選択肢として世界的に注目されており、大気圏突入技術を革新できる可能性を秘めている。
観測ロケットS-520-31号機のフライト実験において、RATSの実証に成功し、新規膜面材料・製造技術を用いた展開型エアロシェルの実証、および ロケットからの分離から海上回収までを想定した機体システムの実証を達成した。RATS-L では、RATSで開発された機体システムを大気圏突入技術のテストベットとして利用し、実際の大気圏突入飛行環境における大型展開エアロシェルの性能実証を実施することで、展開型エアロシェルの技術成熟度を高めていくことを目的としている。RATS や S-310-41号機実験では直径1.2mの展開型エアロシェルを採用したが、RATS-Lでは直径 2.5m の展開型エアロシェルを採用する。
これほど大きな展開型エアロシェルのフライトは初の試みであり、超小型の火星着陸探査機や超小型衛星の地球低軌道からの帰還機を想定したサイズとなっている。このフライト試験の成果を踏まえ、さらなる大型化、高耐熱化を進めることにより、惑星探査や宇宙輸送システムに広く応用されていくと期待されている。

2.5mエアロシェル.jpg

直径2.5mのエアロシェル展開時の様子↑↓

エアロシェル展開時

【読むISAS_宇宙科学最前線】
インフレータブルエアロシェルと観測ロケット実験データ回収モジュールRATS

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【宇宙科学研究所Webページ_ギャラリー】
観測ロケットS-520-33号機、展開型柔軟エアロシェルの大気圏突入実験
~ 観測ロケットから始まる火星着陸への道 ~

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