- Home page
- No.299 目次
- 宇宙科学最前線
- お知らせ
+ ISAS事情
- 科学衛星秘話
- 宇宙の○人
- 東奔西走
- いも焼酎
- 宇宙・夢・人
- 編集後記

- BackNumber

第6回宇宙科学シンポジウム開催される


 新年早々の1月5日,6日の2日間,宇宙科学シンポジウムが相模原キャンパス本館2階大会議場で開催された。このシンポジウムは,飛翔体を用いた宇宙科学研究について,その将来計画を左右する重要な議論の場として開催されているもので,今回で6回目となる。将来計画の提案,それを支える技術開発の状況,これまでの飛翔体を用いた成果などについて,口頭発表およびポスター発表にて報告され,活発な議論が行われている。

 今回は,第25号科学衛星の選定が審議中の状況であることから,将来計画に関する各ワーキンググループからの報告は一律20分の口頭発表とし,ワーキンググループを組織していない小型の計画,あるいは萌芽的計画などの口頭発表にも時間を割いた。また,昨年はX線天文衛星「すざく」,小型衛星「れいめい」の打上げ,工学実験探査機「はやぶさ」の小惑星イトカワ着陸と,大きな成果があったので,従来はポスター発表のみとしていた飛翔結果についても,各プロジェクトマネージャからその概要報告が行われた。

 企画セッションとしては,「宇宙科学と日本の太陽系探査戦略」と「これからの科学衛星と打上げロケット」の二つが行われた。前者については,「JAXA長期ビジョン」で掲げられ,現在その具体的実施方法を検討中の月惑星探査について,日本の太陽系探査戦略の中での位置付けや,宇宙科学研究との関係についての意見交換が行われた。特に,JAXAが月探査を行う意義,実施する体制,他天体探査との関係などが熱心に議論された。後者については,宇宙科学の健全な発展には,小型の衛星を用いた頻度が高くハイリスク・ハイリターンの計画が重要なこと,同時に大型衛星を用いた人類史上に残る大発見を目指す計画も必要であること,などが提起され,多様化する科学衛星に対してJAXAの打上げロケットはどうあるべきかの議論が行われた。


熱気にあふれるポスター会場

 ポスター発表については,昨年まで使用していた本館1階ロビーは,衛星などの展示が充実してきたため使用することが困難となった。そのため今年は,新A棟2階会議室をポスター会場としたが,参加者のあまりの熱気に真冬でありながら室内は高温となり,来年以降の対応に注意が必要であることが分かった。

 今年も大盛況で,延べ参加人数は昨年を上回っていたが,新規の科学衛星選定にかかわる発表がなかったためか,瞬間最大風速的には,ちょうど会場が満席になる程度であった。懸案事項である開催場所の問題は,また来年に持ち越しになっている。

(橋本 樹明) 


Return
Next

#
目次
#
2005年度日本・ブラジル共同気球実験
#
科学衛星秘話
#
Home page

ISASニュース No.299 (無断転載不可)