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2005年度日本・ブラジル共同気球実験


 2005年度より,宇宙科学研究本部,名古屋大学,ブラジル国立宇宙研究所(INPE)間で学術協定を取り交わし,6年間の共同気球実験が開始されることとなった。来年度から本実験に挑む名古屋大学の硬X線望遠鏡(NUSMIT)および遠赤外線干渉計(FITE)は,観測器重量が1トンと1.5トン,気球も容積50万m3と30万m3の大型気球を使用し,総浮力が2トンを超える超大型気球実験である。

 最大の課題は,望遠鏡の長さが8mと20mという大構造物をいかに安全に確実に放球できるかにあった。宇宙研大気球観測センターでは,日本独自の開発で実用化したセミダイナミック放球方式が最適な放球方法と考え,放球技術の訓練と修得を目的に,2005年12月10日から12月23日にかけて,ブラジルのINPE気球基地(カショエイラ・パウリスタ)で共同実験を行った。12月15日に総浮力500kgの放球試験,12月16日に測風気球によるテレメータ,コマンドおよび追尾受信装置の試験,12月20日には観測器重量1.3トン,総浮力2トンの放球試験と厳しい日程をこなした結果,INPE側気球責任者エルゼッチ,ランチャー主任ヘノらに「この放球方法」は「It is easy」と言わせる大きな成果を得るとともに,本実験に向け大きな自信となった。


気球がクレーン車の上に立ち上がる様子

(山上 隆正) 


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ISASニュース No.299 (無断転載不可)