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VSOPチームがIAA「チーム栄誉賞」を受賞


 VSOPチームが,国際宇宙航行アカデミー(IAA)の「チーム栄誉賞」を受賞しました。授賞式は,福岡で行われた国際宇宙会議に先駆けて10月16日に行われ,世界各国のVSOPの仲間たちが福岡に集合し,受賞の喜びを分かち合いました。

 VSOP(VLBI Space Observatory Programme)は,電波天文衛星「はるか」を使ってスペースVLBIを行い,ハッブル宇宙望遠鏡で得られるより約200倍も解像度の高い電波画像を実現しました。VLBI(Very Long Baseline Interferometry)とは,距離の離れた複数のアンテナを組み合わせて一つの仮想的な巨大望遠鏡を作る技術で,世界各地の電波望遠鏡群を組み合わせることによって,地球規模の電波望遠鏡を作ることができます。1997年に内之浦から打ち上げられた「はるか」では,軌道上の「はるか」の電波望遠鏡も加えてアンテナの広がりを宇宙まで延ばし,地球の大きさの約3倍もの電波望遠鏡を作ることに成功しました。

 この抜群の解像度を駆使して,はるか彼方のクェーサーから噴き出すジェットの詳細な姿をクローズアップして見せ,世界をアッと言わせました。今回の受賞は,世界をまたにかけた見事なチームワークに対して与えられたものです。過去にはこの賞を,ロシアのミール宇宙ステーション(2001),アメリカのスペースシャトル(2002),太陽観測衛星SOHO(2003),ハッブル宇宙望遠鏡(2004)などの各チームが受賞しています。これらと比べても,遜色ない高い業績が高く評価されました。

 授賞式の当日は,チームリーダーである平林久教授が受賞記念講演を行い,満場の喝采を浴びました。「はるか」を中心とする強い絆で結ばれたVSOPチームの皆さん,おめでとうございます。皆さんは,このプロジェクトを実現するために努力したロケットのチームを含めた,みんなの誇りです。


授賞式での世界各国のVSOPの仲間たち。
IAAのストーン会長,松尾副会長,コンタン事務総長と一緒に。

(的川 泰宣) 


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ISASニュース No.296 (無断転載不可)