超小型衛星打上げ機SS-520 5号機の実験結果について

羽生　宏人（Hiroto HABU）
ISAS/JAXA 宇宙飛翔工学研究系

2018年2月3日にSS-520 5号機を打上げ、超小型衛星TRICOM-1Rの軌道投入実験を行った。ロケットは計画通り飛行し、発射後7分30秒後にTRICOM-1Rを分離して、軌道投入実験は成功した。本研究開発活動は、2015年に採択された経済産業省の委託事業を基礎に所内プロジェクトとして設置された。2017年1月15日に最初の実験としてSS-520 4号機により実行したが、機体の不具合により超小型衛星TRICOM-1の軌道投入に失敗した。実験後の原因究明結果から、不具合の主たる推定原因は電源系のショートであることが判明した。SS-520 5号機実験は、必要な技術対策や改善を施して４号機再実験として実施された。今回は研究開発の技術的な観点のみならず、打上げ現場の実務の様子も合わせて紹介する。

Place: 2F Conf. room（1236） / 研究管理棟２階会議場（1236号室）