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特集

ヘルプデスク「すざく」解析なんでも相談室

寺田幸功 埼玉大学大学院 理工学研究科

「すざく」衛星は、公開天文台として広く観測を公募し、採択された天体の観測を行います。2006年5月、検出器開発チームによる試験観測が終了し、公募観測が始まった直後、「すざく」ヘルプデスクは立ち上がりました。  当時、検出器の較正作業や日々の運用、解析ソフトウェアの整備など、「すざく」チームとしてやるべきことが山積みでした。そんな中、ゲスト観測者(以下、GO)のサポート体制も整えるべしとの正義感を抱いたメンバーを募り、X線グループの支持も受けつつ、自主的に、理化学研究所(以下、理研)の中に立ち上げられたのが「すざく」ヘルプデスクでした。
 やるべき仕事は明確です。GOからの質問を受ける窓口となり、各検出器チームやソフトウェア、運用チームと強く連携し、その解決に努めること。米国ユーザーをサポートするNASAとは相補的に、日本、欧州、アジア枠のGOを対象に、2年間で90件の質問を処理しました。図40に示した質問数の推移には、観測データ配布の直後や国際会議の直前に質問が殺到する傾向が現れており、GOからの反応が肌で感じられます。また、よくある質問をユーザーに分かりやすくまとめ 、超初心者向けマニュアルなどの整備も行いました。

図40 「すざく」ヘルプデスクへの質問数

 理研メンバーだけでスタートしたヘルプデスクも、今や理研、埼玉大学、JAXA宇宙科学研究本部、つくば、日本大学、金沢大学、名古屋大学と、多機関にわたる大ボランティア集団となっています。もし「すざく」の解析に興味を持ったなら、ぜひ「すざく」ヘルプデスクも利用してみてください。

(てらだ・ゆきかつ)