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特集

先端情報技術研究開発計画

 近年,情報技術を活用したものづくりが非常に進んできています。2次元の図面に代わり直感的にとらえることができる3次元のCAD(Computer Aided Design)を用いた設計や製造,あたかも自分が仮想空間の中にいるかのような技術を用いた設計の確認といったことが行われるようになってきています。

 先端情報技術研究開発計画は,このような最新の情報技術を宇宙開発に取り入れることで,これまでよりも早くしかも確実に衛星やロケットを開発するとともに,逆に宇宙開発を通じて情報技術をさらに発展させることを目指しています。

 例えば,衛星は何人もの技術者が何度も設計情報をやりとりしながら初期の設計が行われます。このため時間がかかるばかりでなく,情報の伝達ミスが起こることがあります。設計に必要なソフトウエアを一つの情報システムに備え,この情報システムを用いて設計することで,その課題を解決することができます。これが衛星設計支援システムです(図)。また,この設計支援システムには設計履歴を記録する仕組みがあり,優れた設計者がたどった軌跡を追うことで設計者の教育,訓練に活用することもできます。



図
図 衛星設計支援システムを用いて搭載機器の配置を行った例


 現在,先端情報技術研究開発計画には大小12の研究プロジェクトがあります。これらの研究は,これまでの衛星開発,さらには宇宙開発のやり方を革新してくれるものと期待しています。


(舘 和夫[先端情報技術ラボラトリ/ISTA/JAXA])
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