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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第306号

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ISASメールマガジン   第306号       【 発行日− 10.08.03 】
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★こんにちは、山本です。

 「はやぶさ」カプセルの公開が目玉になった今年の公開は、2日間で3万人を超える来場者がありました。

 初日に「はやぶさ」カプセル展示に並んだ先頭の方が、TVで取り上げられたためか、2日目の午前3時に正門の守衛さんに 自転車の駐輪を頼みにきた見学者がいたそうです。(ビックリです。)

 私が担当している「スタンプラリー」も、中学生以下で先着2000名までに参加記念品を用意していますが、初日の最後がちょうど2000人でした。二日目は、2000人を超えてしまい、記念品が終了してしまったため、急遽残念賞を用意して スタンプを集めた参加者に記念として手渡しました。

 また、暑い中 メルマガの読者の方が スタンプラリーの終点まで尋ねて来られたのですが、忙しくて十分な対応が出来ずに失礼しました。

 今週は、広報委員長・特別公開実行委員長の阪本成一(さかもと・せいいち)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:特別公開と「はやぶさ」再突入カプセル特別展示の舞台裏
☆02:「はやぶさ」イオンエンジンチーム、AIAA技術賞受賞
☆03:「はやぶさ」プロジェクトチームに、相模原市より「称讃の楯」
☆04:「はやぶさ」カプセル等の展示スケジュール
☆05:SPRINT(小型科学衛星)シリーズの計画概要
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★01:特別公開と「はやぶさ」再突入カプセル特別展示の舞台裏

 毎夏恒例のJAXA相模原キャンパスの公開ですが、今回も昨年同様に金曜と土曜の2日連続開催としました。この舞台裏について少しご紹介しましょう。

 まず、すでにお気づきかとは思いますが、今年度から名称を「一般公開」から「特別公開」に変更しています。相模原でのキャンパス公開を始めてから20余年。この期に及んでの名称の変更は、昨年5月から展示室や屋外ロケット展示が常時公開されたことを踏まえてのこと。これまでよりさらに進んだキャンパス公開を目指しています。

 日程は最終的には7月30日(金)と31日(土)になりましたが、実は今年は日程調整にたいへん苦労し、予定日が二転三転(実際には四転)しました。
来年度以降はできれば「海の日の翌週の金・土」ということで日程の固定化と認識の共有を図り、日程の競合を避けたいと思っています。この思惑が首尾よく認められれば、来年度は2011年7月29日(金)と30日(土)の開催となります。

 さて、この特別公開ですが、何といっても今年の目玉は、小惑星探査機「はやぶさ」の再突入カプセルの世界初公開でした。当初はキャンパス内での公開も検討しましたが、特別公開と両立できる会場が見当たらないこと、待ち行列を含めた全ての来場者をキャンパス内に収容することはできないと思われること、展示は展示に慣れている人にハンドリングを任せる方がよいことなどの観点から、隣接する相模原市立博物館の特別展示室をお借りすることにして 準備を進めました。実施中の特別展示を撤収してまでして全面協力いただくことになりましたし、市の各部署からの支援も得られましたが、これも、ここ数年で相模原市との協力関係を強固にしておいたことがプラスに働いたと思っています。


 当日には、会場となった相模原市立博物館には、朝からカプセルの観覧待ちの長い行列ができ、初日の開場時には2100名もの列となりました。実は、特別公開の準備期間と当日に私が行ったことは、この待ち行列の制御に尽きました。待ち行列はピーク時には3時間を超えたようで、行列は博物館の入口から始まり、テントを張った博物館裏の駐車場を蛇行し、整備中の散策路の木立を抜けて歩道に戻り、途中で横断歩道(バス以外通行止め)を渡って相模原キ ャンパス側の歩道へとつながり、正門からキャンパス内に入って折り返し、キャンパスの柵沿いにまた延々と延びていきました。時々刻々と変化する行列の最後尾を見つけるのに苦労された方も多かったものと思います。特別公開の 第4・第5会場の入口を待ち行列がふさぐ事態まで発生したので、一旦待ち行列の受付を中断し、事態の収拾が必要となったぐらいです。

 待ち行列の長さにもほどがあるため、特別展示室内の入れ替えの速度を上げました。このために、長時間待ったにもかかわらずあまりよく見ることができなかったという方もいらっしゃったようですが、これも、熱中症が懸念され、足の悪い方や小さなお子さんをお連れの方がいらっしゃる中で、待ち時間を短縮することを最優先とした結果です。この場をお借りして事情をご説明するとともに、ご不便をおかけしたことをお詫びします。

 一般の写真撮影もお断りしました。これも、技術情報の管理と会場の混雑緩和の面からやむを得ず実施したことです。ご理解とご協力に感謝します。

 これら一連の取り組みも功を奏してか、最終日の最後では、30分待ちに短縮されました。

 一方、駐車場待ちの渋滞と近隣の交通への影響の軽減については、片側1車線しかないこと、近隣に大規模な駐車場の代わりがないこともあり、ホームページやツイッターなどで呼びかける以外に有効な対策がとれませんでした。


 大幅増が予想されたメインキャンパスの来場者数は、初日が14216名、2日目が19645名で、合計で33861名となり、初日だけで昨年度の2日分の来場者数を超えました。カプセルの特別展示の方は、初日が13000名、2日目が17000名だったとのことで、比率はほぼ一定しているようですが、聞き取り調査を行うと、待ち行列のあまりの長さゆえ、どちらか片方だけをご覧になった方もかなり多かったようです。ごく大雑把な見積もりですが、2日間のトータルで約5万名の人出だったのではないかと思います。

 それにしても、1日目の状況をみながら2日目の「混雑感」を緩和するように現場が自律的に考えて動いたのはさすがでした。これで2日目の混雑感は初日のそれよりは改善されたようです。


 事務局には来場者からのアンケートがうずたかく積まれているそうです。
これから時間をかけてすべてに目を通し、常時公開や来年度以降の特別公開に反映させるつもりです。当日は来場できなかったという方も、改善のためのご意見をお寄せください。

(阪本成一、さかもと・せいいち)

相模原キャンパス特別公開2010、終了
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/0802.shtml

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※