宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASメールマガジン > 2006年 > 第93号

ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第93号

★★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ISASメールマガジン   第093号       【 発行日− 06.06.20 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★こんにちは、山本です。

 梅雨の中休みでしょうか?相模原キャンパスに真夏のような日差しが降り注いでいます。例年ならば紫陽花が大威張りで咲いているのですが、今年 は、ちょっと控えめな感じがします。
……と思って近づいてみると、紫陽花を覆い尽くさんばかりに下草が生い茂っていました。

 今週は、宇宙科学情報解析センターの三浦 昭(みうら・あきら)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:地図とチューハイ缶
☆02:「はやぶさ」へあなたのメッセージを送ろう!
───────────────────────────────────

★01:地図とチューハイ缶

 私が宇宙研に着任した頃、時々宛先違いの郵便物が届くことがありました。珍しい名前ではないのですが、当時相模原に勤務していた三浦は、私だけでした。実はその郵便物、少し前に退官されていた名誉教授の三浦公亮先生宛のものでした。そんなことを思い出しつつ、今回は、三浦公亮先生にちなむ身近な話題を二つご紹介します。どちらも宇宙関係の研究から生まれたものです。


 と書くと、すぐにわかってしまう人もいるでしょう。一つ目はミウラ折りです。矢羽根文様のように、折り目が直線で交わらない折り方をしておくと、その両端を持って引っ張るだけで全体が開き、逆に両端を縮めるだけで全体が折り畳まれます。その便利な性質故に、今では地図の折り畳み方として広く知られるようになっています。

 普通の地図の折り方だと、開閉にも手間がかかりますし、折り目が角に集中して無理な力がかかるため、すぐに穴が開いてしまいます。ミウラ折りには折り目が集中する箇所がなく、開閉時にも無理な力がかからないので、便利な上に地図も長持ちします。

 そこで私もちょっと工作してみました。矢羽根文様のギザギザに沿って山折、谷折を繰り返すのですが、それに合わせて紙全体が開いたり閉じたりして、なんだか不思議な折紙細工です。文字だけで説明するのは難しいので、詳しい折り方は、「ミウラ折り」で検索してみてください。いろいろなページでミウラ折りが紹介されています。できあがったミウラ折りを開いたり閉じたりしているうちに、子供の頃に遊んだ飛び出す絵本を思い出してしまいました。折り方を工夫すると、いろいろなバリエーションができそうです。


 もう一つは、おそらく誰でも一度は目にしたことがあるでしょう。毎晩目にする人もいるかも知れません。某チューハイ缶の側面に刻まれた鱗文様です。細かい三角形の組み合わせはデザインとしても目を引きますが、このチューハイ缶は割と頑丈にできています。薄いアルミ缶だと、買った時は固くても、開けた途端に柔らかくなり、強く握ったつもりはなくてもへこんでしまうことがあります。

 ところが、このような折り目を付けることで、缶は変形しにくくなるのです。試しにチューハイ缶を真似て紙を折ってみました。斜め方向はひたすら山折にし、水平方向はひたすら谷折にします。これを丸めてできあがった筒は、確かにしっかりしています。一見すると縦方向には潰れやすく見えるのですが、実はそんなこともありません。

 不思議なことに、このパターンは円筒を潰した時にできるパターンでもあるそうです。そこでひとつ破壊工作(?)をしてみました。いらない薄手の紙を適当な長方形に切って筒を作ります。直径は手のひら程度にするとうまく行くかも知れません。できた筒を机の上などに立てておいて、上から手のひらで軽く叩きます。筒が適度に潰れると、側面には某チューハイ缶に似た凸凹のパターンが現れます。もちろん、叩きすぎると跡形もなく潰れてしまいますが……。頑丈な筒があれば、それに紙を緩く巻いておいて、両端から紙を縮めるように力をかけると、同じような模様が現れます。

 残念ながら私は、名字が同じというだけの一般人ですので、小学生の工作よろしく、紙を玩び(もてあそび)ながらの拙い(つたない)ご紹介となりました。

 興味がおありの方は、本場仕込みの「いも焼酎」もご賞味ください。

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/complate/sfu/2dsa.shtml

新しいウィンドウが開きます http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.258/shochu.html

(三浦 昭、みうら・あきら)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※