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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第48号

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ISASメールマガジン   第048号       【 発行日− 05.08.02 】
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★ こんにちは、山本です。
 先週は号外まで出して訂正したのに、今度はリンク先を間違えました。正しい平林先生の記事のリンク先は、下記のとおりです。
http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2005/back047.shtml
 ISASでは8月1日から5日まで、「きみっしょん」を開催しています。
来週号には、高校生たちの活気あふれる様子を掲載する予定です。乞う御期待!
 今週は、宇宙航行システム研究系の小川博之(おがわ・ひろゆき)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:M-Vロケットの飛翔追跡の話
☆02:INDEX衛星、打上げ日決定(7月28日)
☆03:「すざく」宇宙空間での最低温度を達成(7月27日)
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★01:M-Vロケットの飛翔追跡の話

 ロケットを打ち上げる際には、ロケットが計画通りに飛翔していることを確認しています。M-Vロケットでは、「レーダ」と「テレメータ」と「光学」と「アイ・スクリーン」で飛翔を監視しています。それぞれの詳細は別の機会としまして、今回は簡単な紹介をしたいと思います。

「レーダ」
 M-Vロケットでは「新精測レーダ」と「旧精測レーダ」という2つのレーダでロケットを追尾しています。レーダは、アンテナとロケットの間の電波の往復する時間で、アンテナとロケットの間の距離を測定し、ロケットから帰ってくる電波の方向を測定することで、ロケットの位置を求める装置です。ロケットの位置の変化からロケットの速度も求めることができます。

「テレメータ」
 M-Vロケットには、ロケットに搭載された機器の動作状態や各部の温度等の環境を測定し、電波に乗せて地上に送る「テレメータ」と呼ばれる装置を搭載しています。機器のうち、慣性航法装置から送られる情報から、ロケットの位置や姿勢などの飛翔状況を知ることができます。

「光学」
 内之浦宇宙空間観測所には「第1光学」と「第3光学」に光学架台が設置されています。光学架台にはビデオカメラが載せられていて、ロケットの画像を撮影します。ロケットの画像は各所へ配信され、ロケットの姿勢などの飛翔状態の監視に使用されます。第1光学では手動でロケットを追いますが、第3光学の架台にはコンピュータ制御されたモータがついており、自動追尾が可能になっています。光学架台には角度センサがついていて、「第1光学」「第3光学」から見たロケットの方向から三角測量の要領で、ロケットの位置を測定できるようになっています。

「アイ・スクリーン」
 アイ・スクリーンは、透明なアクリル板に、設置点から見たロケットの予定軌道を描いたもので、昔からある伝統的な監視装置です。M-Vロケットでは離れた2地点で目視でアイ・スクリーン監視を行っています。ロケットの姿勢等を目視するとともに、予定軌道とのずれを監視します。

 このように、ロケットの打上げ時には、いくつもの手段を用いて、ロケットの飛翔を監視しています。

(小川博之、おがわ・ひろゆき)

「アイ・スクリーン」がどのようなものか知りたい方は
新しいウィンドウが開きます http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.225/mspace.html

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※