No.289
2005.4

特集 1955年 

ISASニュース 2005.4 No.289 


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+ 昔の人は偉かった!
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昔の人は偉かった!

 通産省の補助金をもらおうと,富士精密の戸田と垣見恒夫は2人で通産省を訪ねた。

dash そのとき通産省の若い官僚が,「国の金を使って利益を上げるとは何事か」と,こういう言い方をしました。そのときは私も若気の至りで,「あんた何を言ってるんだ。遊びでやっているわけじゃない。会社というのは,利益を上げることが主たる業務である。それを赤字でも何でもよいからやるというわけにはいかない。利益を上げるために国民の税金を使うとはとんでもないなんて考え方があるか」と,戸田さんと向こうの課長の前で,つかみ合いにならんばかりの大げんかをやってしまいました。

 向こうの課長が間に入って収まったわけですが,帰ってから戸田さんに「行政に対してなんてことを言うのだ」と怒られました。でも私は,「利益を上げることがまるで罪悪であるような言い方をする頭は治さないといけない。そういうのがこれから上へ上がっていく人間だとしたら,早いうちに治しておかないとおかしなことになる」と,譲りませんでした。

 しかし結局,謝ろうということで,戸田さんに連れられて「悪いことをしました」と謝りに行ったら,向こうの担当者も怒られたらしく,「官庁の方もとんでもないことを言いました。これはお互いに水に流しましょう」ということで収まりました。(垣見)

 昔の人は率直で元気がよかった。


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