飛行機やロボットなどのメカ,SFアニメが好きでした。ただし,SFアニメを見ていても,パイロットやロボットの操縦士になって敵を倒したいと思うのではなく,飛行機やロボットを作ってみたいと考える方でしたね。
大学では航空工学科に進み,最初は制御を学びました。数値流体力学に出会ったのは大学院のときです。きちんと空気の流れが再現できること,形状などのわずかな違いが正直に結果として現れるところが面白かったですね。
かつては,模型を使った風洞実験の測定と数値計算の結果が食い違うと,数値計算が間違っていると言われ,たいていは信用されませんでした。しかし最近では,計算機と計算技術が非常に進歩したことで,数値計算の信頼性も高くなりました。大規模な剥離がないなど比較的きれいな流れでは,もし結果が食い違うと風洞実験の測定の仕方もおかしかったかもしれないと,風洞の実験屋さんも私たちの計算結果を真剣に見てくれるまでに信頼性が上がりました。現在でも数値計算は実際の飛行機づくりに役立てられていますが,今後ますますその範囲を広げていくことが課題だと考えています。
休日には,最近少し大きくなった息子と紙飛行機を飛ばして遊んでいます。紙飛行機も,思わず数値計算してみたくなりますね(笑)。