No.233
2000.8

M-V事情
ISASニュース 2000.8 No.233

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M-V型ロケット新1/2段接手の静荷重試験

 M-V型ロケットは,性能向上と低コスト化を目的とした開発が行われており,構造的には第段モータケースのCFRP化2/3段接手の短縮化,そして,1/2段接手の単純化が進められています。これらは5号機から適用される予定です。

 現在の1/2段接手は,ファイア・イン・ザ・ホール分離時の2段モータからのガスを通すための1段側グリッド構造部と分離後に2段ノズルと衝突しないようにつのパネルに別れて分離するスキンストリンガ構造部で構成されています。また,紐状の火薬を用いて金属を溶断するFLSC分離接手がスキンストリンガ構造部の上下端2カ所に配されています。これに対して,新1/2段接手は,FLSC分離接手1カ所にして,1段側だけでなく2段側も一体のグリッド構造に変更しました。そのため,分離時には現1/2段接手のような華々しく飛散するパネルはないため,少々寂しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

 この新1/2段接手が設計通りの強度と剛性を保持していることを確認するために,6月中旬から下旬にかけて,構造機能試験棟で静荷重試験を行いました。1/2段接手は,ロケットの中で最も大きな荷重が加わるところで,その荷重は構造機能試験棟のテストスタンドの耐荷性能の限界に近い大きさです。そのため,1/2段接手だけでなく,テストスタンドも大丈夫か心配しながらの試験になりましたが,無事,所定の試験を終えて,十分な性能を有していることが確認できました。この後,KSCでの分離試験を予定しています。

(峯杉賢治) 


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