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★MUSES-Cタッチダウン試験
なお本試験遂行にあたり,東海大学,東北大学の方々に多大な協力を賜り,貴重なデータを入手することができた。この場をかりて御礼申し上げます。 (久保田 孝)
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★再使用ロケット実験機エンジン燃焼試験
3月7日吹雪風速15m,3月8日雪風速10m,3月9日吹雪風速15m…。去年は離着陸実験を行った同じ時期に,東北地方は10何年ぶりと言う冬の名残が吹き荒れ,朝のタクシーは路面凍結でツルンツルン,場内一面真っ白,エンジンスタンドの設営や計測系準備などはかどりません。またしても日頃の行いを悔いる毎日です。飛翔形態の推進系の制御性や耐久性を新しくして臨んだ今回のエンジン燃焼試験は,今後繰り返し飛行の実験を継続して行うために実施されたものです。エンジン班,スタンド班,計測班など外まわりの準備を天候に左右されずに行えるようスタンド班チーフが用意してくれた立派な移動式仮設小屋も,上のような天気では危険のない範囲で作業を進めるには限度があります。実験班の懸命の努力でやっと実験準備が整った時点では実験期間の半ばを既に過ぎてしまう事態となりましたが,燃焼試験の回数を多少削減し試験パラメータを工夫して何とかエンジンの特性データを取得し飛行に向けての改善点をあぶり出すことが出来ました。実験班の皆さん本当にご苦労さまでした。出来ることならボーナスを出したいくらいです。 (稲谷芳文)
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★ASTRO-FのMTM試験,PM総合試験始まる
![]() 2003年夏期に打ち上げ予定の赤外線天文衛星ASTRO-FのMTM(Mechanical Test Model:機械構造モデル)試験が3月初めから環境試験棟で始まりました。表紙写真の上部の円筒状部分がクライオスタット,その下が共通計器部(バス部)にあたります。クライオスタットの左側パネルはクライオスタット側面に太陽光が直接あたるのを防ぐサンシェード,共通計器部周囲は太陽電池パネル(セルは貼られていません)で宇宙に出てから展開されます。クライオスタット内には口径70センチの望遠鏡が収納され液体ヘリウムで摂氏約マイナス270度まで冷却されています。クライオスタットはEM(エンジニアリングモデル)ですが,FM(フライトモデル・飛翔用)とほぼ同等で,単体での各種試験をパスしています。従来の赤外線天文衛星との違いは世界で初めて2段スターリング冷凍機を搭載していることで,これにより少量の液体ヘリウムで長時間の観測が可能となりました。 全体の高さは約4mですが,思っていたよりも大きく感じられ,こんな大きなものが本当に飛んでいくのだろうかと心配になるほどです。総重量は960kgでASTRO-Eよりは軽いのですが,成功すれば宇宙研が打ち上げる最も重い衛星になります。自画自賛ですが,単純な構造で見栄えのいい衛星ですので是非一度見に来ていただきたいと思います。 MTM試験の目的は打ち上げ時の振動・衝撃に衛星が耐えることが出来るかを確認することです。4月中旬の筑波宇宙センターでの音響試験等を経て5月一杯続く予定です。 一方,MTM試験と並行して電気的インターフェースを確認するPM(プロトモデル)総合試験も3月後半から始まり,4月中旬まで続きます。こちらの方は机の上に測定器やエレキ箱が乗っているだけで見て面白いものではないようです。 ASTRO-Fはこれまで紙の上のものでしかなかったのですが,MTM・PMとはいえ現物が出来上がってくると衛星が現実のものと感じられるようになりました。ASTRO-Fチーム内に何とか成功させねばという緊張感がみなぎってきました。 (松本敏雄) ![]() ASTRO-F 想像図
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★アストロE衛星の愛称公募応募者にお詫びのはがき送付
宇宙科学研究所は3月27日までに,アストロE衛星の愛称公募に応募された4375人の方たちに,応募のお礼と衛星打上げ失敗のお詫び,さらなるご支援のお願いのために次のようなはがきを送りました。
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★宇宙科学研究所に続々と励ましの手紙
上記の「お詫びのはがき」に対し,応募者から励ましの手紙が届いています。一例だけご紹介しましょう。兵庫県明石市の(おそらくは)若い女性からのものです。世のお金持ちも我々も身につまされる有り難い文面です。
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★科学論説委員等・現役記者との懇談会
恒例の科学論説委員等との懇談会と宇宙担当現役記者との懇談会が,それぞれ3月3日(金)と3月10日(金)に霞が関ビルの東海大学校友会館で開催されました。所外からの出席者は,前者が39名,後者が42名でした。行政改革が進行中ということもあり,初めに松尾弘毅新所長から「宇宙科学研究所の現況」について説明の後,M-Vロケット4号機について(小野田),「はるか」(平林),「のぞみ」(早川),「アストロE」(高橋忠,井上一)の順に状況説明をし,質疑応答を行いました。今回の質問は,文部科学省発足後の宇宙科学研究所の位置と4号機の打上げ失敗の原因についてのものが多く,「はるか」の最新の成果や「のぞみ」の太陽中心軌道における観測にも関心が寄せられました。また「20年以上にわたって世界をリードしてきた日本のX線天文学の歩みを止めてはならない」との声も大きく,大いに励みとなり,身の引き締まる思いのする懇談会でした。 (的川泰宣)
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