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M-V-4号機第2組立オペレーション

 次のX線天文衛星ASTRO-Eを打ち上げるM-V-4号機のロケット全段の組立と動作確認を行う第組立オペレーションが11月18日から12月13日までKSCで行われました。M-Vロケットも回目の打上げで実験班には余裕も感じられると行きたいところですが,折からの周辺状況もありで半ば余裕の中にえも言われぬ緊張感の漂うこれまでのオペにない雰囲気のもと(誰かうまく表現してください),ロケット各段の点検整備から全段の結合,全搭載機器の動作確認までを順調に終え,予定通りにロケットの総仕上げをして1月から始まるフライトオペに引き継ぐ運びとなりました。

 号機のフライトは2000年になって初めての衛星打上げとなります。次の1000年のはじめを飾って,世の中の暗いムードを吹き飛ばす大成功と行きましょう。

(稲谷芳文)

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ASTRO-E 総合試験終わる

 ASTRO-Eは打上げ時の全長約5m(軌道上では全長約6.5m),衛星総重量約1.7トンで,ノーズフェアリングの中を殆ど一杯に占めている。M-Vで打ち上げる衛星としては,これまでの最大であり,今後もしばらくはこれを上回るものは無いと思われる。そのため宇宙研の各種施設の対応限界を超えていて,例えばクリーンルームからの出入りにしても立てたままでは出入口の高さが不足で通れず,いちいちこの巨体を横転台車に載せ換え,横倒しにして通してから外で再度立て直し,所定の台車に載せ換えるなどなにをするにも大変な手間と時間がかかる。

 もちろん温度試験糟にはとても入らないし,熱試験槽にも一部分解しないと納まらない等々,当初から分かっていたことではあるが,その都度予想外の問題も多々発生し,いろいろと苦労の多い総合試験であった。これを見越して従来の衛星スケジュールを前倒しにし,1999年3月から総合試験を始めたことなどが効いて何とか予定通りに総合試験を終了,新年早々には鹿児島で打上げ作業にかかるという運びとなった。

 しかしこの先もまだまだ気の許せないことが続く。特に軌道上で絶対温度0.06度という極低温を作るための装置は,一度冷したら打ち上げまでは付っきりの維持管理が必要である。9月に最終的に冷却を開始したが,年末年始も殆ど休み無しの作業が続いている。最近宇宙開発はご難続きで暗い話題が多いだけに,何とか見事に打上げを成功させ,所期の観測成果を得て,2000年代の幕開けが飾れるよう,所内外の皆様の一層のご支援をお願いしたい。

(小川原嘉明)

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第2回 ISAS・NAL連絡会

 標記連絡会が,11月30日,宇宙研にて開催された。忙しい時期に当ったが,ISASからは,松尾企画調整主幹はじめ13名NAL(航空宇宙技術研究所)からは,佐々木研究総務官はじめ23名が出席し,盛会であった。

 独立行政法人化に関する状況,ISAS・NALの研究協力の進行状況等に関し,報告と熱心な討議が行われた。NALは,2001年4月には,独立行政法人に移行することが既に決っており,次の概算予算要求時までには,中期目標を示すことになる。そのため,議論も具体的な内容となった。

 2001年1月には,ISASNALは同じ省に属する研究所となる。今後も益々,連携を深めていこうというのが,両者の共通認識であった。

(中谷一郎)

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あきる野施設近況

 開設以来,早いもので1年9ヵ月が過ぎました。未だ蛍やオオタカの来訪はありませんが,当施設もようやく周囲の環境に馴染んできたところだと思います。今(12月中旬)は,二回目の冬を迎えるにあたり,落ち葉の始末や水道凍結防止など越冬対策を施しているところです。

 1998年秋から一年の間に,施設内に設置した簡易高空性能試験設備を用いて,予備試験を含め計6回の固体モータ開発試験を行い有用な試験データを取得してきました。

 現在は,S-310改の推進薬BP-206Jの侵食燃焼特性試験や低公害推進薬の燃焼特性試験をはじめとする固体ロケット関連基礎試験を実施中で,そのほか高エネルギーハイブリッドロケットや複合サイクルエンジンなど将来推進系の提案に必要な基本情報を蓄積するための基礎実験を一部実施あるいは計画しています。それらと並行して,今後3年以内で完成させることを目標に,推進系研究開発のための汎用試験システムの整備を進めています。

 来年度以降,将来推進系の研究開発をさらに積極的に推進するため,当施設の利用頻度も飛躍的に高まることが予想されます。

(徳留真一郎)

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赤外線観測インド気球実験

 天体からの赤外線を観測するための気球実験計画を,日本(宇宙研,名古屋大学,東京大学,通信総合研究所)とインド(タタ基礎研究所)との協力により進めてきました。計画は二種類の実験からなり,どちらの実験の気球放球も,インド・デカン高原・ハイデラバード気球基地から行いました。

 まず一つめの実験は,日本が開発したファブリ・ペロー分光器を,タタ研究所が開発した 口径1mの気球望遠鏡に搭載し,大口径を活かした高分解能の遠赤外線分光観測を行おうとするものです。気球放球はインド標準時11月25日22時21分(日本時間26日午前1時51分)に行われ,オリオン星雲の広い領域にわたって,遠赤外[CII]スペクトル線の観測に成功しました。観測終了後,観測機器はパラシュートで降下し,無事に回収されました。

 二つめの実験は,日本で開発した口径50cmの望遠鏡に,ASTRO-F観測機器の実証モデルとなる二次元遠赤外線検出器を搭載し,効率の良い連続波観測を行おうとするものです。気球放球はインド標準時12月4日22時13分(日本標準時5日午前1時43分)に行われました。全ての機器が正常に動作ましたが,水平飛行に移った直後に,おそらく気球破裂のため,ゴンドラが突然に降下を始めてしまいました。さらに,パラシュートの開傘が充分でなく,降下速度が予定よりもかなり速くなるなどの不幸が重なり,観測器は大きな損傷を受けました。そのため,今期の実験継続は断念せざるを得なくなりました。捲土重来を期して,来期以降の計画をたてています。

(中川貴雄)

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「ようこう」の太陽が今世紀の天文写真ベスト10

 世界で最も広く読まれているアメリカの天文雑誌『スカイ・アンド・テレスコープ』は,1999年暮れに読者から20世紀を代表する天文写真の投票を呼び掛けていたが,このたび発行された新年号で,その結果を発表した。このインターネットによる投票には,1万3000人が応募したという。

 第位は,1968年にアポロ号が月の周回軌道上から撮影した月の地平線から昇る地球の姿。人類史上初めて丸ごとの地球の姿をとらえたもので,地球観へのインパクトが高く評価されたらしい。

 以下,
(2) M16星雲の星の生成
  (ハッブル宇宙望遠鏡:俗に「イーグル星雲」と呼ばれている本柱の伸びている写真である),
(3) M32M102を従えたアンドロメダ銀河(ヒッパルコス衛星),
(4) マーズ・パス・ファインダーの火星パノラマ写真,
(5) アポロ11号のアームストロング飛行士が印した月面への第一歩,
(6) ハッブル・ディープ・フィールド,
(7) 渦巻き銀河NGC1232(ヨーロッパ南天文台),
(8) 土星とそのリング(ボイジャー),
(9) イオとエウロパを従えた木星(ボイジャー)とつづき,
そして第10位に,わが「ようこう」の太陽X線像が選ばれた。1991年8月に打ち上げられた「ようこう」が,翌年2月に撮像したもので,深紅の太陽フレアが荒々しく爆発している様子が,活動極大期を誇るかのように生々しくとらえられている。みなさん,先刻承知の有名な画像である。

 ただし『スカイ・アンド・テレスコープ』誌の写真解説では,「太陽活動の11年周期の極小期」と説明されており,何の手違いか関係者は首をひねっている。

(的川泰宣)

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