No.213
1998.12

ISASニュース 1998.12 No.213

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国際宇宙ステーション発進

 日米欧加露16ヵ国が共同で宇宙空間に建設する「国際宇宙ステーション(ISS)」の建設がいよいよ開始された。まず一番手として,さる 11月20日午後に,バイコヌール宇宙基地から「ザリャー(日の出)」という愛称のロシア製の制御棟(基本機能モジュール = FGB)が,プロトン・ロケットで高度 180km X 350km の軌道に投入された。

 太陽電池を開いたザリャーは当面,電力供給,軌道・姿勢制御,地上との交信を受け持つことになる。次いで 12月4日の夕方,ケネディ宇宙センターからISSの二番手として「ユニティ(統一)」と呼ばれる部分がスペ−スシャトル「エンデバー」によって打ち上げられた。

 「ユニティ」は,ISSの実験棟や居住棟を結ぶつなぎ目(ノード)の役割を果たすもので,12月7日午前にザリャーに接近し,ロボットアームで接合部分をドッキングさせた。その後飛行士は電力ケーブルなどを接続し,さらにザリャーとユニティの内部に入り込んで,種々の機器の取り付け作業を行うことになっている。

 ISSはプロトン・ロケットとスペースシャトルを使って 45回に分けて部品が運ばれ,宇宙で少しずつ建設していって,2004年に完成する見通しとなっている。

 日本でも 1997年11月に宇宙開発事業団の土井隆雄飛行士がステーション建設に用いる携帯型クレーンのテストを船外活動で行ったほか,1999年にも若田光一飛行士が組み立てに参加する予定になっている。なお日本の実験棟「JEM」を開発しており,これは 2001年から3回に分けて宇宙へ運ばれて,ISSに取り付けられることになっている。ISS 10年間の運用が予定されている。

(時間は日本時間:的川泰宣)


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