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大気球放球実験B09-01成功!

2009年5月27日(水)6時04分に、無重力実験システムの動作試験(4号機)を目的としたB09-01実験として、2009年度第一次気球実験の初号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積300,000m3の日本最大級の大型気球であり、およそ毎分330mの速度で正常に上昇しました。

気球は、放球2時間40分後に大樹航空宇宙実験場東方約40kmの海上において高度40.0kmで水平浮遊状態に入りました。8時55分に指令電波を送信し、無重力実験システムを気球から切り離しました。切り離した実験システムは、十勝沿岸大津沖東方30kmの海上にパラシュートで緩降下し、11時10分までにヘリコプターによって無事回収されました。

本実験は、気球からの自由落下により30秒程度の無重力環境を実現させる無重力実験システムの実証を行うことを目的としていました。高度40kmからの落下中、無重力実験部を機体の中で内壁に衝突しないように浮かせるドラッグフリー制御により、理想的な無重力環境を実現しています。飛翔中のテレメトリデータにより、このドラッグフリー制御は正常に行われ、約35秒間の無重力環境が実現されたことを確認しました。

なお、微小重力実験として液体の“濡れ性”に関する観察を行いましたが、この結果については海上にて回収された機体から記録データを取り出して詳細に解析する必要があり、現在、その作業を実施しているところです。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速:毎秒0.5m、気温:摂氏10度でした。

放球点に移動中の放球装置

放球点に移動中の放球装置

放球直前の大気球

放球直前の大気球

放球直後

放球直後

上昇中の大気球B09-01号機

上昇中の大気球B09-01号機

2009年5月27日

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