宇宙科学談話会

ISAS Space Science Colloquium & Space Science Seminar

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TEXUS観測ロケットを用いた冷炎ダイナミクスに関する微小重力実験(Phoenix-2)の概要とフライト結果

mr_tanabe.jpg田辺 光昭(たなべ みつあき)氏
日本大学

エンジン燃焼で問題となる爆発現象の予測に必要となる実験データ取得を目的とした観測ロケット実験「Phoenix-2」について紹介する。この実験では爆発のきっかけの一つとして知られる冷炎(1000K以下の低温の炎)の発生タイミングや大きさなどの基礎特性データを取得した。冷炎現象解明とモデル化を進めている日独国際共同研究の一環で,モデルの検定のために実施したものである。直径1mm程度の複数の燃料液滴を高温空気中に挿入し,自発的に生じる冷炎の挙動を光学観測する実験装置を開発した。この装置を2024年3月24日スウェーデン・エスレンジよりTEXUS60号機で打ち上げ,一部不具合はあったものの所定の微小重力場での実験データを得た。装置の概要と得られた科学的成果,およびISS実験に向けての展望を概説する。

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