宇宙科学談話会

ISAS Space Science Colloquium & Space Science Seminar

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JASMINE計画の誕生と変遷

Dr. 郷田 直輝(ごうだ なおてる)
国立天文台

JASMINE(JAXA宇宙科学研究所の公募型小型計画3号機)は、光学望遠鏡(主鏡口径36cm程度)と開発中の国産宇宙用赤外線検出器を用いて、赤外線位置天文観測で星の距離と運動を測定することにより、天の川銀河形成の鍵を握る中心核領域にある構造(中心核構造)を明らかにすることを科学目標の1つにしています。可視光では塵にさえぎられて観測しにくい天の川銀河の中心核領域を赤外線で測定し、中心核構造とその形成史や巨大ブラックホールの進化を明らかにすること(銀河中心考古学)を大きな目標としています。また、位置天文観測で達成される高精度な測光能力を活かしたトランジット観測により、中期M型星周りの生命居住可能領域にある地球型惑星を探査することも大きな科学目標です。先ずは、このようなJASMINEの全体的な概要と状況を説明します。
さらに、位置天文観測の歴史、JASMINE計画が立ち上がった背景と経緯(なぜ位置天文学の"素人"がJASMINEをやろうと思ったか等)、その後の長年に亘るJASMIN計画の様々な変遷(超小型と大中小計画)について、いくつかのエピソードを交えながら紹介させていただきます。

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