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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第205号

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ISASメールマガジン   第205号       【 発行日− 08.08.19 】
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★こんにちは、山本です。

 先週の相模原キャンパスは、夏休みを取っている人が多いのか、何か閑散とした雰囲気でした。打って変わって今週は、廊下で何人もの人とすれ違います。いつもの相模原が戻ってきました。

 日曜日の関東は、まるで秋のような涼しさでした。久しぶりにクーラー無しで過ごしていたのに、週明けとともに夏が戻ってきたようですが、空は青く、雲は秋の雲です。ミンミンゼミだけが夏を主張して啼いています。

 今週は、一般公開実行委員長を初めて経験したISAS広報委員長の阪本成一(さかもと・せいいち)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:相模原キャンパス一般公開終了、土日公開も継続中
☆02:相模原キャンパス一般公開2008、終了
☆03:今週のはやぶさ君
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★01:相模原キャンパス一般公開終了、土日公開も継続中

 毎年恒例のJAXA相模原キャンパス一般公開が8月9日、無事に終了しました。お昼過ぎには雷雨があり、人気の水ロケット工作教室や月惑星探査ローバーの実演などの屋外イベントが中断となってしまいましたが、屋内の展示は盛況だったようです。

 途中雷雨の影響を最も大きく受けたであろう水ロケット工作教室では、印象的な出来事がありました。お待ちの方が大勢いたなかで、打上げや工作の受付を中止したわけですが、この苦渋の選択の際には、雷雨となる前に「気象班」から指示が出ました。気象班とはロケットの打上げの可否にかかわる天候判断をする専門家チームのことで、ロケットの打上げと違って一般公開で気象班が編成されることはありませんが、「大雨の前に雷が来る」。本番さながらの適切な指示が本部に入り、それが現場の担当者に伝わったわけです。普段からの訓練と実践が、このような際にすぐに役に立つのだということを実感した瞬間でした。

 ところで今年は、来場者からのアンケートや昨年の自分自身の参加経験を参考に、いくつかの試みをしました。そのひとつが混雑の解消に向けた徹底的な取り組みです。

 人気の水ロケットは2年ぶりに斜め向かいの共和小学校の校庭で実施することとしました。また、今が旬の「かぐや」については、向かいの相模原市立博物館の地下の会議室をお借りしてハイビジョンビデオの上映や講演会に充てました。博物館の特設エリアは、午前中の強い日差しの中、あるいは午後の雷雨の中、ゆったりと腰かけて楽しむにはたいへんよいスペースとなったと思っています。

 また、混雑感をなくすための動線の確保にも本腰を入れて取り組み、大勢の人出を思い描きながら前日に各会場の準備状況を見て回り、こまごまとした指示も出しました。

 それでも水ロケットや人工オーロラなどの人気ブースではどうしても行列ができてしまうのですが、これらのブースの担当者には、待ち時間を短縮することと、想定以上に長く待たされることのないよう待ち時間を表示すること、待ち時間にも楽しんでいただけるような時間の有効活用のための工夫をすること、の3点をお願いしました。どれもうまく実現してもらえたのではないかと思っています。

 もうひとつの取り組みは、配布資料の充実です。最先端の研究開発の成果を示した展示はややもすると専門的になり、素通りされるか、興味と背景知識をお持ちの方にも限られた時間と混雑した会場でじっくりご理解いただくのは困難です。しかし、展示にはエッセンスを載せ、配布物に詳しい情報を載せることで、一般見学者と、やや専門的な知識を求める方の要求に、ともに応えることができます。急なお願いで対応しきれなかったブースもあろうかと思いますが、これらの取り組みが来年以降も定着すればよいなと思っています。

 今回の入場者数は6872名で、近年になく少なかったのが残念でした。
混雑解消に尽力している間に来場者数が減ることまでは想定していませんでしたが、雷雨のために全員に屋内への避難をお願いした時にも大きな混乱はなかったと思います。お盆にかかる時期の開催がよくなかったからか、当日午前中から近隣地域を襲った雷雨の影響か、あるいはオリンピックに食われたのか、理由はよく分かりません。7月下旬の観測ロケット実験と、8月下旬から9月上旬にかけての大樹町での大気球実験を避ける都合上、今年度については他の可能性がなかったのですが、来年度以降の一般公開の日程をどのように設定すべきかについてはじっくり分析してみようと思います。今年の来場者アンケートにこれから目を通してみますが、来場できなかった方の意見も大切だと思っています。ご意見をメールで阪本(sakamoto.seiichi◎jaxa.jp)までお寄せください。

 昨年から始めている夏の土日公開が翌10日にも予定されていたため、終了後には展示室の原状復帰作業に直ちにとりかかり、10日にも公開を行いました。その後も連日大勢の皆様の来場があるようです。一般公開は終了しましたが、夏の土日公開はまだ続きます。また相模原でお目にかかりましょう。

(阪本成一、さかもと・せいいち)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※