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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第128号

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ISASメールマガジン   第128号       【 発行日− 07.02.27 】
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★ こんにちは、山本です。

 月曜日の午後、ISASで防災訓練がありました。研究管理棟(8階建)の屋上からはしご車による救出訓練があり、寒い中、下からはしご車の先頭にある救出用のゴンドラを見上げていると、揺れているのがよくわかりました。高いところが苦手な私は、見ているだけで足がすくみました。

 今週末は、「宇宙学校」が駒場の駒場の東大教養学部で開かれます。たくさんの方の参加をお待ちしています。

 今週は、システム開発部の橋本正之(はしもと・まさし)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:再びISASでの仕事に就いて
☆02:「月に願いを!」キャンペーン締切は明日2月28日までです。
☆03:宇宙学校・東京 <宇宙のなぞにせまりたい!>
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★01:再びISASでの仕事に就いて

 宇宙科学研究本部、システム開発部の橋本正之と申します。何処かで聞いたことのある名前だな?と思って下さる方もおられるかもしれません。実は昨年4月に定年退職したのですが、暇だろうから少し手伝わないかと嬉しい誘いを受けて、昨年10月から再度お仕事をさせてもらっています。そんな訳で、定年退職者社会の1年生ですが、定年後の仕事について率直な雑感を 述べてみたいと思います。

1)特典:専念可

 何よりも特定のことに集中して仕事を進めることが出来ることです。これまでは何かに集中したくても、目前の課題に対処しなければならないために、1週間のうち半分以上を会議や打ち合わせ等に、残りの半分くらいも各種の事務処理等に時間を取られるのが現実でした。これらの仕事は現実の活動を支える上で不可欠なものですが、特定のことへの精力の集中を妨げていることも事実だと思います。別な言い方をすれば、この状況は現役組が犠牲となって生み出して下さっている貴重なプレゼントのようにも感じています。

2)心構え:裏方に徹する

 現役の方々にはISASの今後の活動には大切であると分かってはいるが、しかし現実には目前に山積みされた優先すべき多くの仕事があるため、じっくりと腰を据えて取り組めない課題が数多くあると思います。これらを現役時代に蓄積できた経験をフルに生かして、着実にこなすことが責務だと思っています。

 やや抽象的な表現をしてしまいましたが、私の場合について言えば、ISASが打ち上げた衛星、探査機の日々の運用やその支援設備の維持管理に必要とする各種情報を、新規に参加される方々でも容易にアクセスできる形に整理することが与えられた仕事です。これらの情報は現実の運用に携わっているベテランの方々の頭の中に収まっているものですが、これらを新規に参入される人のために整理する余裕など殆ど無いのが現実だと思います。必要な情報が旨く整理出来たときには、新規参入の方々に必要時に参照して頂く以外に、これを利用して勉強会等を開くのも一案だと思います。

3)高齢化社会:役割、分担作業の雛形になり得る?

 こういった裏方的な役割は、目前の最新の研究・開発に多忙な現役の方々には負担となりますので、経験豊富な定年後の方々が有効にお手伝い出来る領域だと思います。

 衛星や探査機運用を例にとりましたが、定年を迎えられた方々は、現役時代には誰かがやらなければならないことだと思ってはいたものの、実際には時間が無く、殆ど手をつけることが出来なかった数多くの仕事を思い当たるのではないでしょうか?

 例えば、過去の貴重な経験を、必要時に誰もが何時でも容易に参照可能な形に整理すること等もその一つでしょう。但し、これらの作成資料は常に最新の状況を反映、維持するための更新システムを導入しておかなければ、直ぐに陳腐化してしまい、結局場所を取るだけの無用の長物になってしまう危険があると思います。

 ISASがますます活躍していくために、現役組と定年退職者の両方にとって有益な退職者の担うべき仕事が沢山あると思います。どんなことに貢献できるかは現役時代の経験や立場で様々だと思いますが、現役組と定年退職者の両方にプラスとなる仕事の役割分担を考えていくことは、これからの高齢化社会にとても役に立つような気がします。

 ISASはこの点に関してもその先駆性を発揮して、退職者の活用方法を考えて行くことは無駄ではないと考えます。

 暫し、健康に留意しつつ,無駄遣いと言われずに有効なお手伝いを出来るよう努力してみたいと思います。

(橋本正之、はしもと・まさし)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※