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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第97号

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ISASメールマガジン   第097号       【 発行日− 06.07.18 】
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★こんにちは、山本です。

 来週末の7月29日はISASの一般公開です。このメールマガジン97号が配信される18日には『全打ち(全員打合せ)』があり、準備も着々と進んでいきます。

 私が毎年担当しているのは、一般公開に来場された中学3年生までを対象にした『スタンプラリー』です。会場5ヶ所にあるスタンプを台紙に押して終点のテントに持ってくると、先着2000名に景品を差し上げています。

 高校生以上の方には景品はありませんが、台紙は用意してあります。毎年、趣向を凝らしたスランプラリーをお楽しみください。

 今週は、一般公開の実行委員長・宇宙航行システム研究系の澤井秀次郎(さわい・しゅうじろう)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:一般公開「宇宙科学大作戦」?!
☆02:太陽観測衛星SOLAR-B/M-V-7の打上げについて
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★01:一般公開「宇宙科学大作戦」?!

 今年も、宇宙科学研究本部の一般公開の開催時期が近づいてきました。今年度の実行委員長をやることになりました、澤井と申します。今回は、少し、この一般公開の宣伝をさせていただきたいと思います。

 宇宙科学研究本部の一般公開は、組織統合前から毎年夏に行っている行事で、近年は毎回1万人以上の来場者でにぎわいます。今年は、7月29日(土)に開催です。宇宙科学研究本部にとっては、年に1度の大イベント。今年も趣向を凝らした展示や講演を予定しています。特に、世界的な研究成果を出している惑星探査、天文衛星から、ロケット、気球、はたまたペットボトルロケット工作教室などなど、ふだん宇宙にあまり興味がない方でも、十分、楽しんでいただけると思いますので、是非ご来場くだされば幸いです。

 さて、今年のテーマは、「宇宙科学大作戦」。宇宙を身近に感じてもらおう、ということでくだけた雰囲気のテーマですが、真面目に取り組んでいます。実際、毎年のように、この時期になると、直前の追い込みなのか、あちこちの研究室で夜遅くまで(場合によっては、朝早くまで)、準備作業をしている光景が見られます。直前の1週間くらいになると、キャンパス中が一般公開の準備を中心に動くことになります。まさに、この本部にとっての一大イベントなのです。

 今年は、「宇宙科学大作戦」、というテーマのとおり、宇宙科学研究本部が行っている宇宙科学に関する研究活動を幅広く伝える中身になっています。打ち上げたばかりの天文衛星「すざく」、「あかり」がもたらした最新成果や、小惑星にタッチダウンした「はやぶさ」の最新情報、といった運用中の衛星からのホットな話題から、現在計画が進められている、月や金星、水星探査計画の進捗、宇宙の謎に迫る新たな天文衛星の構想、さらには新しいロケットの研究、ちょっと変わったところでは宇宙農業に至るまで、公開をする予定です。また、昨年度打ち上げた小型衛星「れいめい」のチームは、一般公開中の衛星運用時間帯に、まさに衛星を運用中の運用室を公開するべく、準備を進めています。

 この一般公開は、世界を舞台に活躍している第一線の研究者・技術者たちが、まさに手作りで、自ら準備し、自ら説明をしている、というのが特徴です。現場の雰囲気というのは、インターネット越しではどうしても伝わりにくい面もあります。そういうものも、きっと、一般公開の会場では感じることができることでしょう。


 毎年やっている一般公開ですが、寄せられる声を参考にさせていただいて、やり方も毎回、改善してきています。このメールの最後に、昨年度の来場者アンケートで挙げられた要望のいくつかを紹介してみたいと思います。


・授乳室がなくて困る
A)確かに、困りますね。今年から、授乳室、おむつ交換場所などを確保するようにしました。また、車いすで来場される方などに対してもなるべく配慮するように、ということで、先日の出展者会議で確認をしました。困ったことがあったら、気軽に近くのスタッフに声をおかけ下さい。


・駐車場が混んでいた。誘導係の誘導がいい加減
A)特に昨年度は、高校野球と日程が重なってしまったためでしょうか、周辺の道路が混雑してしまったようです。今年は近隣のイベントの日程とずれるように工夫できました。また、JR淵野辺駅南口より直通の無料送迎バスが運行されますので、こちらの方もご利用いただければ、と思います。(詳細はWebで確認、もしくはお問い合わせください)
 誘導係の誘導の仕方がまずい、というのは、失礼しました。車を運転していると、下手な誘導は確かにイライラするものです。ただ、一般公開の誘導員は、普段、ロケットや衛星の関係の仕事をしている職員で、駐車場の車の誘導に関しては全くの素人です。そのため、至らぬ点はあると思いますが、こういう誘導員たちも、ひとたびロケット関係の業務になれば、テキパキとプロの仕事をします。ふだんテキパキしている人たちの慣れない不器用な誘導も、「一般公開の味のひとつ」と、大きな心で見ていただけると幸いです。


・会場が混んでいた
・何の説明もなく30分並ばされた上、整理券はなくなっていた
A)大変失礼しました。今年は、昨年度までのレイアウトを検討して、工夫してみましたので、改善すると思います。個人的にも、一生懸命工夫を考えた一人として、是非とも、目に見えて改善してほしいです。ただ、建物の構造上、どうしても流れが悪くなるところは出てくるかもしれません。また、特に今年は、キャンパスの一部が工事中という事情があります。しかし、こういった逆境も、各会場のイベント時間を極力張り紙でお知らせする、など工夫をすることで十分に対応できている、と考えていますので、どうかご期待ください。


・2日間やってほしい
A)ありがたい言葉です。実は、毎回のように出てくる声です。今年も、「土日とやったら、スタッフの体力が持たない」という圧倒的な内部の声を考慮して、今回も1日間だけ、の公開とさせていただきました。ロケット打上の準備スケジュールも差し迫っていますし、ご理解いただければ、と思います。


・チラシなどの広報は完全に子供向けで、大人が楽しめるようには見えない
A)実際には大人も楽しめる、と解釈して、まずその部分については、ありがたい言葉だと思うことにしました。広報が子供向け、というのは、あるかもしれません。来場者数の予想をするときに、近所の小学生が夏休みの宿題代わりに来てくれないだろうか、という話題も出ています。実は、このチラシ、宇宙科学研究本部の研究者が描いています。素人仕事とは思えない出来映えだと自画自賛していますが、いかがでしょう?

手前味噌ですが、多彩な人が集まっている研究所です。一般公開に来て、いろいろな説明スタッフと話をしてみるのも、楽しみ方のひとつです。


 アンケートで寄せられた声は、まだまだたくさんありますが、このメールでの紹介はこれくらいにしたいと思います。


 一般公開の本番まで、あと少し。さあ、今年も頑張るぞ!!


(澤井秀次郎、さわい・しゅうじろう)

 一般公開については
http://www.isas.jaxa.jp/j/new/event/2006/0729_open/index.shtml

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※