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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第38号

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ISASメールマガジン   第038号        【 発行日− 05.05.24 】
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★こんにちは、山本です。
 先週の『そうだ、内之浦へ行こう!』は如何でしたか?
 あるISASの友人は、『内之浦への行き方についてこんなに詳しく書かれたものは初めてだ』と言ってメルマガを印刷して知り合いに配っていました。また、ある人が初めて内之浦に行ったときのエピソードは、JR(昔なのでモチロン国鉄)の時刻表を探したけれど内之浦が見つけられなかったことです。そうです、内之浦には昔も今も汽車・電車が通じていません。そんな内之浦に出かけてみませんか

 さて今週は、初めて大学院生の登場です。『きみっしょん』事務局の高エネルギー天文学研究系の竹井 洋(たけい・よう)さんです。

―― INDEX――――――――――――――――――――――――――――――
★01:研究者ってなにをやっているの?〜「君が作る宇宙ミッション」の案内
☆02:ASTRO-EIIの打上げ 6月26日(日)から
☆03:この夏打上げ予定のINDEX衛星、報道公開
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★01:研究者ってなにをやっているの?〜「君が作る宇宙ミッション」の案内

 私はISASに通う大学院生です。専門はX線宇宙物理。教授陣からアドバイスやコメントをもらいつつ、必死で追いつこうとしています。「学生」というと遊んでいるイメージがあるかもしれませんが、大学院生は、特にISASの大学院生は忙しく研究していますよ。日が変わるまで実験したり泊まり込む人もたくさんいます。そして、私もそんな一人です(笑)。しかし、それだけ忙しくても、笑顔にあふれる人がたくさん。それだけ研究が楽しいのですよね。最新のデータを使った宇宙科学、新しい宇宙ミッションのための機器の開発、といった一線の研究に携わっているからでしょう。私は2010年代に打ち上げるX線天文衛星用に超伝導を利用したX線検出器を開発する一方、外国の天文衛星のデータを使って宇宙の構造がどうなっているか、どのように構造が変化してきたのかを研究しています。どちらのテーマもわくわくするものです。

 そんなISASの研究者たちにふれあう非常にいい機会があります。それは、ISASがここ数年行っている高校生向けの体験学習「君が作る宇宙ミッション」略して「きみっしょん」です。今夏(8/1〜8/5)に第4回が開催されるのでその案内をいたします。その計画、運営を主導するのは、ほかでもない我々大学院生なのです。

 きみっしょんのテーマは、参加者が自分達の「宇宙ミッション」を考え、作り上げていくことで、研究者が皆行っている「自ら考え、自ら決定し、自ら作業する」という仕事を学ぶことです。プログラムを修了した暁には、研究ってどんなことをしているんだろう、ミッションを実現させるまでにどのようなことが行われるんだろう、ISASってどういうところなんだろう、といった疑問も解け、研究者が、ISASが身近なものに感じられるようになるでしょう。

 きみっしょんは、4泊5日の合宿形式で、参加者が自分達の「宇宙ミッション計画」を作り上げていきます。どんなミッションを目指すか、どうやってそれを実現するか、それらを考えるのは参加者のみなさん自身です。答を教わるのではなく、自分でミッションを考えて実現に近づける、すばらしくエキサイティングな体験ができるでしょう。こう書くと、ミッションのためのモノづくりをISASの設備を用いて行えると思われるかもしれません。しかし、残念ながらこのプログラム中ではそれは行いません。ISASの設備を使えればそれもすばらしい体験になるでしょう。けれど、私たちはISASの一番の宝は研究者たちだと考えています。5日間教授から大学院生まで多くの研究者と触れあい、本気で議論を交わすことになります。その経験が参加者にとって何よりもすばらしいものになる、将来宇宙の研究を行う場合も、他の未知に進んだとしても、「あのプログラムに参加してよかった」と思ってもらえる、そう自信を持って私たちはこのプログラムを企画しています。

 きみっしょんのプログラムはISAS内の実験設備や人工衛星、ロケットの見学、研究者との議論、そして研究発表会から成ります。この中で最も時間を使うのが研究者との議論によるミッション作成です。特に若手研究者は5日間つきっきりで参加者の面倒を見て、研究の方法、研究を行う際の考え方を身を持って示してくれるでしょう。研究の話だけでなく、進路をどう決めたか、大学や大学院での生活がどうだったか、など気になる将来に関しても質問できると思いますよ。

 8月に宇宙に興味を持つ、夢にあふれる高校生のみなさんとお会いするのを楽しみにしています。募集要項は下記のリンクをご覧下さい。

http://www.isas.jaxa.jp/j/new/event/2005/0414_kimission.shtml
新しいウィンドウが開きます http://www.isas.jaxa.jp/kimission/

(竹井 洋、たけい・よう)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※