ロケット現場の実学の貴重さ

鹿児島宇宙センター　射場安全グループ　金久保恵太

 私は本務では基幹ロケットの打上げ安全監理業務を行っております。各打上げにおいてはJAXAの立場として現場に行く場合はほぼ現場監督のような立場になりますので、自分で手を動かす実学の部分で不足を感じておりました。人材育成プログラムの中で、観測ロケットの現場研修は自らが現場の第一線でメーカと目を併せて作業に立ち会えるため、小型ロケットの基礎・作業の流れに対する理解を深められる非常に貴重な機会であることを実感いたしました。現場では観測ロケットの設計に携わる職員やメーカの方がおり、細部まで質問に対してご対応いただけました。ロケットシステムがコンパクトであるため、短期間に総合的に機能に対する設計の背景を理解することができました。本務においても基幹ロケットの総合システムの理解促進を図ることができる研修となりました。

 希望を言えば種子島からの技術職員も噛み合わせ試験から参加できますと、より理解を深められると同時に手を動かせる範囲もあるかと思いました。想定する範囲では噛み合わせ試験における火工品回路の機能点検等で健全性確認を実施する等で貢献できる範囲もあるかと思いました。

 また、種子島宇宙センターからは例年観測ロケットの現場研修に足を運ばせていただいておりますが、観測ロケットGの特に若手職員が基幹ロケットの打上げ研修に毎号機参加できているわけではないと思料します。基幹ロケットと観測ロケットの違いの理解を図るのに加え、双方の射場の最適化を図るために観測ロケットGの若手に基幹ロケットの打上げ現場研修に参加いただきフィードバックを得られる体制があると良いかなと思いました。

 全般を通して貴重な研修となったと実感しています。調整等いただいた上長・射技U・観測ロケットGに感謝いたします。