電磁波の伝播を考えるとき、電磁波の波数ベクトルを (
)、
角振動数を
として、
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(103) |
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(104) |
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(105) |
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(106) |
系と、その
方向に速度
で走る
系の間の
ローレンツ変換の式(72)と、四元速度の定義(89)から、
波数の定義から
、
で、
ベクトル
がyz平面にあり、
電磁波が進む向きと
軸、
軸のなす角を
とすると、
、
、
である。よって、(107)を書きくだすと、
式(110)は、光のドップラー効果に他ならない。のとき、
の項を無視すれば、これは
式(111)は、地球の公転運動によって、星からの光の到来方向が変化する
光行差 (aberration)を説明する。地球の公転速度は、 km/s,
である。地球の公転面と垂直方向から星の光がやってくるとき、
なので、
を使って、
とすると(下図参照)
非相対論的には、単純にベクトルの大きさから、
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(115) |
は、角度では
に対応する。地球の公転のために、季節
(地球の公転運動の方向の違い)によって、星の見かけの位置は最大
変化する
。
は、角度では
marcsec (ミリ秒角)に対応していて、
それほど高分解能の観測は電波干渉計によって可能であるが、それ以外のほとんどの天文観測においては
装置の位置分解能以下なので、
無視しても構わない。