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宇宙学校・相模原

 今年で7回目になる宇宙学校・相模原が,相模原市産業会館をお借りして開かれました。9時30分より始まった一時限では村田助手が“はるか”について言及した後,堂谷助手がX線での観測を取り上げました。いつものことながら,ブラックホールの質問が群を抜きます。そろそろ“ブラックホールなぜなぜ”と銘うって本にしたらいかがでしょうか。村田助手,初めての宇宙学校の担任ながら子供達の不意打ち質問に良く答えてくれました。お昼の後の二時限目は飯島助手が太陽系探査計画を要領良くまとめて,次の“かえるのおかあさん”黒谷助教授へバトンタッチ,この頃になると教室も満員になりいよいよ雰囲気が盛り上がってくるのがわかります。三時限目では自作のビデオで S-520-22,SS-520-1号機の発射シーンを見せながらの竹前助手の観測ロケットの話。これまで宇宙学校で取り上げることのなかった観測ロケットも充分に題材となりうることを見せてくれました。最後は宇宙学校のクロージングテーマにふさわしく,的川教授の未来の宇宙開発。このクラスでは小川相模原市長に飛び入りのご挨拶を無理にお願いしました。宇宙学校に合わせて今年は相模原市天文同好会の天文写真の展示会も開かれました。宇宙科学振興会,生協もビデオ,宇宙グッズ,宇宙関係の本等を販売。こうして皆さんで盛り上げてくれるところも宇宙学校ならではでしょう。ということで,宇宙学校・相模原も相模原市と市教育委員会のお世話でまず無事終了。庶務課の皆さん,そして担当教官,お疲れさま。

(小山孝一郎)

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SS-520-1号機の打上げ実験

高高度の科学観測を目的として,新規に開発されたSS-520型ロケットの初号機であるSS-520-1号機は,平成10年2月5日17時30分に発射された。
 ロケットの飛翔はすべて正常に行われ,発射後88秒後に第2段モータに点火,新規に開発された第2段モータは正常に燃焼し,発射後8分30秒に最高高度750kmに到達,17分後内之浦南東海上に落下した。その間,第1段燃焼終了後,将来の小型衛星打上げの基礎技術である姿勢制御実験が予定通り実施された。
 飛翔中,搭載された科学観測機器はすべてデータの取得に成功。特に,高速中性粒子観測装置は,低緯度における高速中性粒子の観測に世界で初めて成功した。現在,観測データの解析が行われている。
 SS-520型ロケットは,宇宙科学研究所が久しぶりに打ち上げる2段式の観測ロケットで,打上げ直前までシーケンスの検討が行われるなど,関係者には大変御迷惑をおかけした。新型ロケットの打上げ成功は大変気分の良いもので,実験班は平成9年度最後の打上げ実験を気持ち良く終了する事ができた。
 又,今回の成功は,平成11年度に予定されているスピッツベルゲン(ノルウェー)に於る2号機の打上げに明るい見通しを与える事ができた。
 関係各位の御努力・御協力に感謝します。

(中島 俊)

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S-520-22号機

 S-520-22号機は,相模原での準備作業中いろいろ思わぬ問題に悩まされ,結局機材発送の直前に最終組立と動作試験が終った。しかしこの間の日程の変更を利用して,観測機器等は一段と念入りな試験が続けられたことは,災いを転じて福としたと言える。そのような関係者一同の並々ならぬ努力の結果,鹿児島での作業は,極めて順調に運び,当初の予定通り,ロケットは1月31日の13時30分に発射された。この前後,目まぐるしく変わっていた天候も,この日は一転して風もおさまり,快晴の絶好の打上げ日和に恵まれ,実験は見事に成功した。
 観測の結果は,ロケットの飛翔中リアルタイムで刻々確認でき,打上げ直後に行われた報道関係への発表の場で,世界初のドップラー望遠鏡による見事な生データの画像を各社に提供する事ができた。最終的な観測結果を得るには,今後さらに時間をかけた詳細なデータ解析が必要だが,国立天文台の常田教授らの観測チームは,十分に良好なデータが得られたものと確信している。特に今回の実験では,全く新しい方式による高性能の望遠鏡の開発をはじめ,極めて高い精度と安定度を持ったポインティングの成功等,多くの画期的な成果を上げることができた。しかし唯一つ残念だったのは,回収ができなかったことである。
 今回の実験全体にわたって多大のご尽力を頂いた所内外の皆様に深くお礼申し上げたい。

(小川原嘉明)

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「はるか」の現状

 昨1997年2月12日に打ち上げられた「はるか」は打上げ1周年を迎え,今年の2月13日にささやかなパーティを行いました。急な呼びかけで当初あまり集まらないと思ったのですが,結局メーカの方も含めて50人以上の方があつまりました。打上げ後の不具合を「さかな」に楽しい時を過ごしました。観測の方は昨年の夏以降共同利用観測を開始しています。7月以降1月末までに110回の観測がいまのところ成功しています。今のところと書いたのは,観測の成否は地上電波望遠鏡との相関を取ってみなければ判らないのですが,相関待ちの観測が77回分もあります。従って残りの33回分は,相関処理も終えて観測者にデータがわたっています。このようにそろそろ「はるか」の観測もデータ処理が追いつかないといううれしい悲鳴の状態に入ってきました。相関処理は日本/カナダ/アメリカの各相関器が総動員で処理をしています。その甲斐あって,マップがいくつか出て来ています。高い周波数( 22GHz 43GHz )での観測と 1.6GHz 5GHz での「はるか」によるスペースVLBI観測の空間分解能がほぼ一致することで活動銀河中心核の状態(電子密度や磁場強度や温度)を非常に良く決めることができるようになりました。今後,どんどん成果が出てくると期待しています。

(小林秀行)

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ASTRO-E光学ベンチ伸展試験

 ASTRO-Eには「あすか」と同じ機構を持つ伸展型光学ベンチ(以下EOB)が搭載されます。1月12日から30日にかけてC棟ロケット組立室において衛星とのI/F確認の目的で,衛星の構造モデルに組み付けた状態で初めての伸展試験を行いました。伸展そのものは22日から23日にかけて都合3回行いました。まずはパラフィン・モーターに電流を流し,EOBを収納状態で固定しているクランプを解除し,ステッピングモーターを回して伸展。そして伸びきったところでモーターを止め,別のパラフィン・モーターで伸展部を吊っていたワイヤーの張力を緩めるという手順になります。試験では大きな問題もなく,衛星とのI/FやEOBの構造強度について貴重なデータを得ることができました。
 ASTRO-Eの高さはEOBを伸展した状態で,衛星台車も含めて7mにもなります。高所作業の必要性から,衛星の周りにビルの工事現場なみの高所作業台を設営しました。実際に6mの高さまで登ってみると低い周波数でゆらゆらと揺れているのがわかります。食事を抜いたまま仕事をしていると目眩がして倒れそうになることがありますが,ちょうどあの目眩の感覚に似ています。しかし残念ながらこの例えは誰にも分かってもらえませんでした。
 いずれFM試験ともなれば我々もあそこまで上がっていって作業をしなければなりません。目眩と勘違いして下に落ちないように,きちんと飯を食ってから作業に入りたいものです。

(石 田 學)

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夢と感動をありがとう
  - 「あなたの名前を火星へ」キャンペーン終幕

 2ヵ月間にわたって展開された標記キャンペーンは,20万人をはるかに越える人々の応募を得て,さる2月末に感動のうちに締め切られました。国内外から寄せられた大変な数の人々の声は,夢・友情・家族・子ども・追悼・愛情・恋・決意・期待などのキーワードに集約される素晴らしいものでした。葉書の切り貼りに参加して下さった皆さんは口々に「コメントを読むうち目頭が熱くなった」と告白しています。宇宙や火星に対する人々の想いは,それぐらい広く深く味わいのあるものであることを改めて感じました。
 葉書の切り貼りをはじめとする整理は,初めは広報係とその周辺の孤独な作業でしたが,終盤を迎えて俄然熱気のこもったものになり,広報係に助けの手を差しのべる職員・院生の姿が数多く見られました。名前は金属板に焼き付けられ,火星探査機に貼りつけられて,来る7月,M-Vロケットに搭載されて内之浦から打ち上げられます。そして来年10月に火星の周回軌道に入り,2年間のミッションを終えた後は,半永久的に火星のまわりを回り続けます。まずは史上最大の作戦でした。

(的川泰宣)

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