No.241 |
ISASニュース 2001.4 No.241
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超高層雷放電発光現象の衛星観測計画1989年ミネソタ大学のWinckler教授らがロケット搭載高感度カメラの地上テスト中に偶然とらえた雷雲から上方に向かう放電発光のイメージは,大気圏と電離圏間の放電発光現象研究の端緒となり,この10年間でこの分野の研究は観測と理論・モデリングの両面から驚くべき速さで進展した。しかし衛星観測に関しては,短期間のスペースシャトルの観測があるだけで,本格的な衛星観測はまだ実現していない。そのため,この発光現象のグローバルな分布や紫外線領域の発光過程はまだ未知のままである。そこで台湾国立宇宙計画局(NSPO)はROCSAT-2衛星搭載機器にISUAL(Investigation of Sprites and Upper Atmospheric Lightning)計画を採択した。プロジェクトサイエンティストは台湾国立成功大学のChern教授で,その目的は,
1)雷雲・電離圏間放電発光現象の時間・空間構造およびスペクトル構造を の3点である。この目的のために搭載される観測器は,CCDイメージャー,多色フォトメーター,アレイフォトメーターの3種類である。これらの観測器の責任者は,前の2つがカリフォルニア大学のMende教授,アレイフォトメーターは筆者(東北大学・福西)である。ROCSAT-2は,高度891km,軌道傾斜角98.99°の太陽同期衛星(1日14周回)で,ISUAL計測器の他に陸域リモートセンシング計測器を搭載し,2003年4〜7月に打ち上げが予定されている。 東北大学で開発を行っているアレイフォトメーターは,雷放電発光現象の空間・時間変動をリム方向で高速でとらえるために,2つのシリンドリカルレンズの組み合わせで長方形の視野(水平方向に22.6°,鉛直方向に3.6°)をつくり,マルチアノード型フォトマルチプライヤーを使用し16チャンネルに分割して観測する。1チャンネルの視野は,水平方向に22.6°,鉛直方向に0.2°である。青と赤のフィルターを付けた同一規格の2台のアレイフォトメーターから構成されており,空間・時間情報と同時にスペクトル情報も得られるようになっている。開発状況と今後の予定は,
1)プロトモデルの製作と地上テストの実施(1999年8月), (福西浩,高橋幸弘(東北大理),S.B. Mende(カルフォルニア大), |
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