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大気球実験BS13-02、BS13-03 終了

2013年5月15日(水)に、成層圏オゾン・大気重力波・二酸化窒素の観測を目的としたBS13-02/03実験として、2013年度第一次気球実験の初号機及び2号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。

BS13-02で用いた気球は満膨張体積200m3(直径7m)のゴム気球で、午前4時50分に放球し、およそ毎分330mの速度で上昇しました。1時間48分後に大樹航空宇宙実験場の東約65kmの太平洋上において高度32kmに達したところで予定通り気球が満膨張に達して破裂し、その後気球及び観測機器は、大樹航空宇宙実験場の東約90kmの海上に緩降下しました。

BS13-03で用いた気球は満膨張体積10,000m3(直径30m)の薄膜気球で、午前5時41分に放球し、およそ毎分200mの速度で上昇しました。2時間13分後に大樹航空宇宙実験場の東約50kmの太平洋上において高度43kmに達したところで予定通り気球が満膨張に達して破裂し、その後気球及び観測機器は、大樹航空宇宙実験場の東約75kmの海上に緩降下しました。

本実験では、地表付近から上部成層圏にかけてのオゾン高度分布と大気重力波等によるその微細構造の観測を目的として、電気化学式(ECC)オゾンゾンデと光学オゾンゾンデの2種類のオゾン観測器を用いてオゾン、風速、気温、気圧の精密観測を行いました。
なお、BS13-03に高度30km以上で測定精度が良い光学オゾンゾンデを搭載し、一方高度30km以下で非常に高い精度を持つECCオゾンゾンデを50分ほど先行して放球したBS13-02ゴム気球に搭載しました。今回は光学オゾンゾンデには小型の分光器を搭載し、オゾン以外に二酸化窒素等も測定できるよう改良しました。
今回の観測では両観測器とも良好に作動し、高度43kmの上部成層圏領域までの観測に成功しました。上部成層圏のオゾンを直接測定できる観測器は他にはなく、これらの領域のオゾン変動を調べる貴重なデータを得ることができました。
また、今回の観測により地上から上部成層圏までの広い領域での大気重力波のパラメータ導出が可能となります。二酸化窒素に関しても、今後の解析により実際に成層圏の二酸化窒素が測定できたかどうかを検証するための貴重なデータが取得できました。

放球時の地上気象状況は、天候:霧、風速毎秒2m、気温:摂氏4度でした。

JAXA格納庫内でヘリウムガスを充てんされる気球BS13-03号機

放球される気球BS13-03号機

2013年5月15日

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