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2012年度第二次気球実験の実施について

【実験期間】7月30日(月)〜9月22日(土)(実験予備期間を含む)
【実験場所】大樹航空宇宙実験場(北海道広尾郡大樹町)

最新情報

9月14日 更新

2012年度第二次気球実験は、高層風の状態が気球飛翔に適さないため、予定していたすべての気球実験の実施を見送ることになりました。これをもって今季の気球実験は終了いたします。

実験にご協力いただいた関係各方面の方々のご尽力に深く感謝いたします。

B12-03 気球搭載望遠鏡による惑星大気観測

気球高度からの惑星大気光学観測は、シーイング、大気透過率、観測ウィンドウ、コストなどの点で地上大型望遠鏡に匹敵する成果が期待できる。極域での気球による 24 時間以上の惑星連続観測を目指して、今回の実験では平成 21年度の前回実験で不具合を生じた搭載PC が担っていた機能を FPGA 化する一方で、前回の実験でシステム設計の妥当性が実証された実験装置と姿勢制御・ポインティングアルゴリズムを踏襲し、追尾・撮像性能の確認と金星表面雲分布の時間変化をとらえることを目的とする。

B12-05 大気球を利用した微小重力実験(燃焼実験)

低コストかつ短いターンアラウンドタイムの微小重力実験手段として気球を用いた実験システムの確立を目指し、学術創成研究として開発した微小重力実験システムを継承しつつ、微小重力実験装置の利用可能スペースを拡大させたシステムを構築する。高度 40 km 前後まで達した大気球より供試体を自由落下させ、20 秒程度の無重力環境を実現させる。今回の実験では、予蒸発させた一次元液滴列の火炎伝播挙動の観察実験を行う。

BS12-05 (成層圏オゾン・大気重力波・二酸化窒素の観測)

高度 30 km 以下で精度の高い ECC オゾンゾンデと高度 20 km以上で精度の高い光学オゾンゾンデを組み合わせた観測を行う。これまで、紫外フィルターを用いた小型・軽量な光学オゾンゾンデを薄膜高高度気球に搭載した観測により、上部成層圏オゾンの年々変動および大気重力波の高度毎の特徴を明らかにしてきた。今回の実験では、小型分光計を用いた新たな光学オゾンゾンデを搭載し、実績あるフィルター型との同時観測によりオゾン観測精度の検証を行い、分光器を生かして二酸化窒素の検出も試みる。

BS12-06 超薄膜高高度気球飛翔性能試験

気球用フィルムとして世界で最も薄い、厚さ 2.8 μm、折径 140 cmのポリエチレンフィルムを用いて製作した容積 80,000 m3の超薄膜高高度気球の飛翔性能試験を行う。過去 3 回の気球上昇中の頭部損傷を踏まえ、放球作業中および放球中に最もストレスを受ける気球頭部を二層にして気球強度を強化している。本気球の開発により中間圏下部の「長時間その場観測」を開拓する。

2012年7月19日

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