宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > 活動内容 > 宇宙工学 > 衛星・探査機技術 > 放射率可変素子

宇宙工学

放射率可変素子

放射率可変素子(Smart Radiation Device)は電力や機械的な要素なしに、温度に応じて放射率が変化し、自動的に温度調整することが可能な素子です。SRDは衛星に搭載される高発熱機器のOn、Offによる発熱変化、或いは惑星探査のように外部熱環境が大きく変わる衛星の放熱面に有効です。現在はペロブスカイト構造Mn酸化物に多層薄膜を施した素子に着目しています。その特徴はグラフに示しますように、全半球放射率が0℃付近の転移温度を境に急激に変化し、高温側では大きく、低温側で小さくなることと、しかも太陽光吸収率が0.24と小さいことが挙げられます。多層薄膜なしのSRDは既に小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されていますが、更なる性能の向上と、軽量化のための薄膜化を狙っています。

放射率可変素子

全半球放射率

関連リンク