本日の運用では,ビーコンによる状態確認と,姿勢制御(リオリ)を行いました.

「逆スピンレート」はついに4rpmにまで達しました.
テレビのCMを1本見る間に1回転するペースですね.

20mもの膜がこんなに速く回っているって,すごいっ!と思った方々.

おぅおぅ!あの夏,三陸上空で見事に咲いたスピンセイル,20m膜面を,
まさか見忘れたとは言わせねぇぞ?

...先日Y3さんに御奉行とか言われたので調子に乗ってしまいました.すみません.
本当は御白州で平伏すほうが好きなんです.お許しを

2006年夏に行われた大気球によるソーラーセイル展開実験では,
重力による膜の垂れ下がりに抗うため,
IKAROSと同じ20m級の膜面をなんと20rpm以上で回したりしました.
まだまだ4rpmなんて止まって見える,というレベルです.
しかしそれだけの速さの遠心力を以ってしても,重力の影響が強いために
膜面はスカートのように少し下に垂れ下がった形で展開していました.

またこの実験は,高度37km,地上の1/100以下の気圧の環境で行いましたが,
それでも大面積に空気抵抗を受けるため膜がおおきくねじれたりしました.

地上実験で大型セイルの運動を理解するのは本当にたいへんです.
こういう実験を思い起こすと,
重力と空気抵抗の影響から解放された,太陽光圧が支配する惑星間空間で
IKAROSの膜の運動を調べられるということの妙を改めて感じさせられます.

※大気球による実験の詳細はこちらをご覧ください↓
http://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2006/0831.shtml



今朝の臼田局の天候は雪だったそうです.
相模原も日に日に寒くなってきており,
帰り道に賑やかな夜空を見上げるのが楽しみな季節となってきました.
IKAROSは打ち上げから1年半が過ぎ,2度目の冬を迎えます.
(IKAROSの太陽距離という立場では2度目の晩夏くらい?)

当初の予定よりずっと長く運用してきても,いまだに(特に逆スピンして以降)
取得したデータから面白い情報が引き出せるというのが
IKAROS運用の飽きないところです.
まだまだ「これにて一件落着」と宣言する気にはなれませんね.


次回の運用は11/29(火),1ヵ月ぶりに長めの半パス運用となります.(Y2)
【訂正】
次回の運用は「明日」ではなく,来週火曜日(11/29)です.
ご混乱を招き失礼しました.しかも2連続で...平伏してお詫びします.
前回の文章をコピーしてきたものを修正し忘れたためであって,
運用はちゃんと来週29日をターゲットに行っておりますので,ご安心ください.


11/24のIKAROS
太陽距離: 0.79AU
地球距離: 208486810km, 赤経=-153.5°, 赤緯=-8.4°
金星距離: 1.42AU(212215176km)
姿勢:スピンレート=-4.0rpm, 太陽角=30deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.79AU
Earth Distance: 208486810km, RA=153.5deg, Dec=-8.4deg
Venus Distance: 1.42AU(212215176km)
Attitude: Spin Rate=-4.0rpm, Sun Angle=30deg