Category: Operation
Posted by: IKAROS
平成25年12月以降の運用状況などは,以下の新しいページにてお知らせしてまいります.
(準備中です)

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/ikaros/index.shtml
Category: Operation
Posted by: IKAROS
ご無沙汰しております.Y2です.
9月以降,しばらくブログが途絶えてしまい失礼しました.
今年9月に入って,12日,22日,26日と運用を実施しておりますので
まとめてで恐縮ですがご報告いたします.

まず,9月12日の運用では,IKAROSの電波は確認できたものの,
発生電力がギリギリでビーコン運用もできない状態となりました.
その後,9月22日,26日の運用では,IKAROSの電波を受信することができず,
アンテナの方向を変えても電波を確認することはできませんでした.
これにより,3度目の冬眠モード(発生電力の低下により搭載機器が
シャットダウンした状態)に入ったと判断しました.

2013年6月の2度目の冬眠明けと合わせ,今回の冬眠入りもほぼ予想通りの時期でした.
この次は,2014年春頃に冬眠明けとなる見込みです.


今回の冬眠明け運用では,IKAROSのMGA(ミドルゲインアンテナ)がカバーする方向に
地球が入るような姿勢になれば,テレメトリも取得できる見込みがあったのですが,
そこまで良い姿勢条件にならなかったため,残念ながら実現しませんでした.
次回の冬眠明け運用からは,今度はIKAROSと地球との距離が少しずつ近づいてきます.
これにより,地上で受けるIKAROSの電波が強くなり,
テレメトリデータが取得できる可能性も高まります.

セイルの画像や薄膜太陽電池の発電性能などのテレメトリデータが取得できれば,
より長期にわたるセイル膜面の機械的な劣化・形状変化や
薄膜太陽電池の発電性能の経年変化について評価することができます.
これは,長期にわたるミッション期間を想定している
次期ソーラー電力セイル計画において非常に重要な情報となります.
このようなデータの取得をめざして,
来年春以降もIKAROS運用を継続していきたいと考えております.

さて,このIKAROSブログのwebサイトですが,
今後は以下のアドレスに移行することになります.(準備中です.)

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/ikaros/index.shtml


本webサイトも残りますが,今後の情報は新しいwebサイトで更新していきます.
今後とも応援のほど,よろしくお願いいたします.(Y2)
Category: Operation
Posted by: IKAROS
じゃじゃーん.Yです.
サーバーメンテの影響で,アップロードが遅れてしまいすみません.

昨日IKAROSはビーコン運用を行いました.
ビーコンの解読結果からは,IKAROSの姿勢は概ね予想通り.
状態も良好です.

最近の近況ですが,
IKAROSメンバーの多くは,「はやぶさ2」と「次期ソーラーセイル計画」の
2つの研究開発活動のいずれか,あるいは両方に関わっています.
イプシロンの打ち上げで内之浦に行ってしまったT2さんのような
変わり種もいますが...

私自身は,この夏,海外の2つの学会で,
IKAROSに関する研究成果を発表してきました.
もうIKAROS打ち上げから3年経ちましたが,
海外の学会で,いまだにIKAROSは,
世界初のソーラーセイルの成功例としての引用に加え,
innovativeなミッションの成功例として
引き合いに出していただくことがあります.
これは本当に光栄なことです.

IKAROSは,幸い冬眠モードを繰り返しつつも,
まだまだ太陽光圧加速を続けています.
現在太陽光圧によって加速した総量は秒速400m.
すなわち,時速1440km分の加速を燃料無しで達成したことになります.

ISASニュース7月号にIKAROSチームの津田さんが関連記事を書いています.)

このまま運用を継続し,
IKAROSには冬眠を何度繰り返してでも生き続けてもらい,
太陽光圧での加速記録を更新し続けたいですね.
そして,世界に誇れる成果を,もっともっと
創り出していきたいものです.(Y)

8/29のIKAROS
太陽距離: 0.86AU
地球距離: 266650746km, 赤経=173°, 赤緯=5.1°
金星距離: 0.85AU(127407414km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.86AU
Earth Distance: 266650746km, RA=173deg, Dec=5.1deg
Venus Distance: 0.85AU(127407414km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
こんばんは.
久々の登場のT2です.
もう皆様に忘れ去られているかもしれませんが,
本日のブログを書かせていただきます.

本日のIKAROS運用は,コマンダさんなしで,
IKAROSから送られて来る電波の確認のみになりました.
運用時間としては2時間半という短いものでした.
その短い運用時間の間に,IKAROSの状態を確認しました.
イカロス君もひさびさにつぶやいておりますし,
IKAROSは健康そのものです.
あと,これはIKAROSの宿命なのですが,
再び冬眠入りする時期が近づいております.

ところで,IKAROS blogでは,これまで数々の迷言名言を
生み出したり,使用したりしてきました.
例えば,
「ムチャぶり」「アイスコーヒー運用」「心眼,神眼」
などです.
最近のブログではちょっと「心眼」に頼りがちなので,
ここにきて新たな言葉を生み出したいと思います.
そこでハイパーイカロスクリエイターのT2が目をつけたのが,
前述の「冬眠モード」という言葉です.
IKAROSの冬眠というのは,太陽電池に太陽光が充分にあたらなくて
発電量が足りなくなってお休みすることを主に指しておりますが
アンテナが地球に対しそっぽを向いていることも含まれています.
そもそも電力が足りなくなるのも,太陽に対しそっぽを向いている状態です.
そこで,私としては,以下の様に言い換えることを提案します.
・ 恥ずかしがり屋モード
・ 反抗期
・ ツンデレ
どうでしょうか?
この中で気に入ったものを皆さん流行らせてください.
私のオススメは反抗期です.
以下に使用例を示します.
「ねぇ,IKAROSって反抗期だって.」
「え?もうこれで3度目だよ.しょうがないやつだなぁ」
この様に使っていただければ,冬眠というなんとなく重苦しい感じが
解消されていい感じです.
更にイカロス君も反抗期が近づくとイカロス君の口調が変わったりしたら
なおいい感じです.チラッ -> イカロス君

と,ここまで書いておきなが,皆様に謝らなければなりません.
実は私,現在相模原にはおらず,本日の運用にも参加しておりません.
実はY2さんからの司令メールに対応して遠隔地でブログを書いております.
先日のNさんへのムチャぶりといい,なかなかY2さんもやりますね.
以下,Y2さんの司令メールです.
-----
今日はIKAROS運用がありましたが,ブログ担当が未定です...
そろそろT2さんの健康診断結果の発表時期だと思うので,
ブログを書いていただければ幸いですが,いかがでしょうか?
(実名をT2に変換した以外,原文ママ)
-----

はい,書きますとも.書かせていただきますとも,健康診断の結果を.
(昔の結果は,2012/07/26, 2011/7/27, 2010/7/26のブログを参照ください.
今年は約1ヶ月遅れの報告ですね.)

結果は,

安定の「中性脂肪 過多」でした.

いやー,ぶれませんね.さすがです.もうね,自画自賛しちゃいます.
今年は運動量を増やしたので,かなり自信あったんですが.
こうも続くと,このブログを見ていらっしゃる方が血液の検査員の方で
結果を改ざんしているのではないかという陰謀説まで本気で考えちゃいます.
それぐらいショックです.

と,こうなるとやはり他の人の結果が気になります.
噂によると,昨年中性脂肪ブラザーズに新規加入した兄者ことY3さんは
たった一年で脱退されたとか.チッ
もし,来年も報告する機会があるならば,感動の中性脂肪ブラザーズ
解散報告をさせていただきたいと誓いを新たにしております.


ところで,私は今どこにいるかといいますと,内之浦に来ております.
今,内之浦宇宙空間観測所では,イプシロンロケットの打上げ準備で
大忙しになっております.
ぜひともこの新しいロケットおよび衛星を成功させたいです.

内之浦にはIKAROSメンバで言うと,Tさんも来ており一緒に仕事してます.
Tさんこそ,本ブログに非常に久々の登場ですが,
トライアスロンもこなす超健康優良児です.
やはり中性脂肪とは無縁のようです.チッ
そのTさん,こちらでも毎朝走っているみたいです.さすがです.
先日は,道でばったりイノシシに出会ったとおっしゃっておりました.
毎朝走るTさん.
Tさんの出会ったイノシシを捕まえて食べたいと思うT2
その差は歴然ですね.なんか書いてて悲しくなってきました.

ともあれ,私は久しぶりの内之浦なのですが,本当に良い所です.
宿の食事も美味しいですし.
はい,もちろん中性脂肪 絶賛増強中です.

皆さんも内之浦に足を運んでみたらどうでしょうか?
ロケットの打ち上げを見に来られる方もいらっしゃるかもしれませんが
普段も内之浦宇宙空間観測所は普通に入って見学ができます.
うすださんよりかは小ぶりですが,うっちーさんも近くで見れます.
9月には町で名産のえっがね(伊勢海老)のお祭りがあります.
中性脂肪が少なすぎて増やしたい方に特にオススメです.

乱文失礼いたしました.
皆様今後共よろしくお願いいたします.(T2)



8/22のIKAROS
太陽距離: 0.83AU
地球距離: 264726769km, 赤経=166°, 赤緯=8.3°
金星距離: 0.81AU(121139911km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.83AU
Earth Distance: 264726769km, RA=166deg, Dec=8.3deg
Venus Distance: 0.81AU(121139911km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
こんばんは.
今日のIKAROSブログはY2さんと一緒に本日の運用に参加した
Nが書いています.



多分覚えている方はいらっしゃならないと思いますが,
かつてIKAROS運用の主任無線従事者
(イカロス君とうすださんの電波による通信設備の操作を
監督する立場の人間)として参加していた頃,
1回だけこのブログを書いたことがありました.
しかし今日は主任無線従事者としてではなく,
スーパーバイザ(SV)の見習いとして運用に参加することになりました.

この立場でIKAROS運用に参加するのは今日が初めてです.
スーパーバイザは,KYさんいわく運用の進行役.
主任無線従事者より格段に重い役目を担う業務です.


昔,はやぶさのスーパーバイザをやったことはありますが,
別の宇宙機になると運用スタイルから用語まで結構違うものなので,
結局はイチから覚えることだらけだったりします.

しかも,IKAROS運用では,何やら「心眼」を駆使しないと
イカロス君から送られてくる情報を解読できないという噂が…!?
そんなものを凡人である自分がマスターできるものなのか???

そもそも自分が運用参加資格としてアピールできるのが,
「食=生きがい!」…ということくらいしかない.
IKAROSに関する知識も学生当番さんよりよっぽど貧弱….


そんな状況で戦々恐々としながら運用室に出陣しましたが,
Y2さんは各手順をひとつひとつ解説してくれ,
こちらの初心者丸出しの質問にも快く答えてくれて一安心.
さらに本日のコマンダーさんは,はやぶさの運用でも
コマンダーとして大変お世話になったKさん.
久々の管制室で懐かしさと安心感を感じながらの運用でした.

さらに!
イカロス君からの情報の解読は決して「心眼」だけによるものではなく,
Y2さんやその他の運用メンバーが独自に開発してきたいろんな
便利ツールを駆使していることが判明.良かったー(笑)
しかしイカロス君の通信が今後もしぎりぎりになってくる頃には
ついに「心眼」を発動しなければならなくなるのか…!?
……やっぱり色々精進します.




さて,すっかり自分語りが長くなってしまいましたが,
今日もいつもどおりのビーコン運用でした.


ビーコン運用からは,イカロス君の太陽に対する姿勢(向き)や
地球に対する姿勢を読み取ることができます.

太陽がイカロス君の真上から当たっているときは,
イカロス君は太陽電池でおなかいっぱい発電できるのですが,
太陽がだんだん傾いてくると,発電量が足りなくなって,
ついには冬眠してしまいます.

一方,地球との角度が大きくなってくると,
今度は地球との通信が難しくなってきます.

なので,太陽や地球とイカロス君の姿勢を読み取り,
その変化を追いかけることは,いつ頃まで運用できそうか,
いつごろイカロス君が次の冬眠に入ってしまうのかを
予測するうえでとても重要なことです.


今は,IKAROS は地球から見て太陽の向こう側に近い所にいて,
イカロス君にとっても太陽や地球の角度が比較的小さくなる位置にあります.
(とはいっても,少なくとも本日の時点では,テレメトリが
受信できるほどの良い角度には至っていませんが…)

しかし,そのうちまた太陽や地球の角度が大きくなって,
冬眠に入るときがいつか必ずやってきます.

冬眠に入る前に,一日でも多くデータを取得したい,
そしてさらに次の冬眠明けの予測に役立てたい,という一心で,
運用メンバーは日々姿勢予測や軌道予測,局運用に邁進しています.
そういう思いを強く感じた運用でもありました.




そんなわけで,しばらくは自分は他の運用メンバーの後について回って,
色々な事を勉強しながら少しずつ運用に参加していきたいと思います.
Y2さんの突然の指令(Oさん直伝?)により書いてみたこのブログ,
勉強不足でかなり低レベルになってしまいましたが,
今後ともどうかよろしくお願いします.
この経験は,来年度打上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」の
運用でも生かせると良いなあ.





ところで「はやぶさ2」といえば!
皆さんのお名前とメッセージを「はやぶさ2」に載せようという
キャンペーンが,な,なんと,


【今日(8/9 (金) 17:00)締め切りです!】


今日です,今日.
もちろん抽選ではありません.応募者全員分,お載せします.

IKAROSでもお名前を募集して打ち上げましたが,
「はやぶさ2」ではカプセルと一緒にお名前が地球に戻ってくる
「宇宙の往復切符」です.こんなの,なかなかないです.


イカロス君からも,可愛い弟?妹?である「はやぶさ2」に
みんな名前を載せてね!!と笑顔で脅迫されております
(現時点での心眼による独自解読結果).

応募は以下のサイトからとなります.
http://www.jspec.jaxa.jp/hottopics/20130329.html


まさに,「最後のお願いに参りましたっ!」
ということで本日 17 時まで皆様のご応募をお待ちしております.(N)



8/8のIKAROS
太陽距離: 0.78AU
地球距離: 261845154km, 赤経=150°, 赤緯=14.3°
金星距離: 0.75AU(112042211km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.78AU
Earth Distance: 261845154km, RA=150deg, Dec=14.3deg
Venus Distance: 0.75AU(112042211km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日もビーコン運用により,IKAROSの状態確認を行いました.

2度目の冬眠明けから,だいたい1~2週間ごとに運用を行い,
姿勢の変化を追いかけています.
IKAROSが冬眠状態になるかどうかは基本的にこの姿勢の変化次第です.
また,IKAROSのMGA(ミドルゲインアンテナ)がカバーする方向に
うまく地球が入るような姿勢になれば,テレメトリも取得できる見込みがあります.
このため,毎回必ずビーコン運用により確実に姿勢データを取っています.

この変化を調べることで,
次回の冬眠入り,冬眠明けの時期も精度よく予測できるようになります.

さらに重要なのが,この姿勢変化の傾向から,
ソーラーセイルとしての軌道の変化を予測する,というところです.
前々回のブログでY3さんが紹介したとおり,
2011年12月を最後に,IKAROSの軌道を精密に測定できていません.
精密に軌道を決めるには,地上で受けるIKAROSの電波が弱すぎるのです.

ソーラーセイルは姿勢によって太陽の光の力の受け方が変わり,軌道も変化します.
2011年12月からIKAROSの軌道がどう変化したのか予測するためには,
姿勢がどのように変化してきたのか,推測する必要があるのです.

ということで,毎回の運用でIKAROSの電波を捕捉するために
アンテナを向ける方向に微調整を加えながら,軌道予報値の誤差を修正しています.
この誤差を縮めるために,姿勢予測担当のY3さんと
軌道予測・アンテナ予報値作成担当のSTさんが奮闘されています.
その成果もあり,今日はうまく予報値を修正して,
ほぼ予報値通りの位置でIKAROSの電波を受けることができました.
おかげさまでスムーズに運用を進めることができました.

こんな感じで,まだまだIKAROS運用には新しい課題(テーマ)が出てくることがあり,
そして何とか解決・対処していくことがあります.
これだけ長く運用しても,全く飽きることがありません.
毎回,「運用大変だよ~」とこぼしながらも,運用のある日がとても楽しみです.



さて,先週末はJAXA相模原キャンパスの特別公開でした.
イカロス・ソーラーセイル関連のブースにも
たくさんの方に来場していただきました.
暑い中,足を運んでいただき本当にありがとうございました.

今年は,勢いのある学生さんたちがたくさん説明を頑張ってくれて,
名物のOさん解説コーナーが圧倒されるという興味深い光景が見られました.
ご覧になられた皆様,いかがでしたか?

わたしも隅っこでコソコソ説明させていただきましたが,
それでも説明しだすと熱が入って話が止まらなくなります.
昨年の特別公開からの差分を語るだけでも,みなさんを長時間足止めしてしまいます.
それぐらい,IKAROS運用とその成果には,興味が尽きることはなく,
(次期ソーラー電力セイルの実現に向けた課題も尽きることなく...)
来場されなかった皆さんにも何とかお伝えしたいのですが,
ブログではなかなか書ききれないですね.


そういえば,来場者の方々から受ける質問が,年々高度化しているようにも感じます.
「GSSMが...」とかいう言葉が出てくるのを聞いた時は驚愕してしまいました.
(みなさんも調べてみましょう!)
ここまで興味・関心を持っていただけること,本当に嬉しく思います.
ぜひその興味を,周りの方々,子供たちにも広げていただきたいと思います.


次回の運用は8/8(木)の予定です.(Y2)


8/1のIKAROS
太陽距離: 0.76AU
地球距離: 260873992km, 赤経=141°, 赤緯=17.0°
金星距離: 0.73AU(109354432km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.76AU
Earth Distance: 260873992km, RA=141deg, Dec=17.0deg
Venus Distance: 0.73AU(109354432km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
ご無沙汰しております,Y2です.

日が明けてしまいましたが,7/25(木)もビーコン運用により,
IKAROSの状態確認を行いました.
イカロス君は順調に飛行を続けているようです.

先週も運用を行っていたのですが,誰がブログを書くのか,
うやむやしているうちに本日に至ってしまいました.
毎度情報を楽しみにされている皆様,本当に申し訳ありません.

前回のブログで紹介されたとおり,
2011年末の軌道決定値を元にした長期の軌道予測をベースに
運用を行っているため,電波の捕捉にはテクニックが必要になってきています.
IKAROSの姿勢/軌道運動を予測してアンテナ予報値を作成してくださる皆様,
IKAROSの電波をすばやく捕捉する臼田局の運用者の皆様の力がなければ
運用もなかなか立ちいかなくなります.
最近は私がSV(スーパーバイザー)として運用を進行しておりますが,
みなさんの力におんぶにだっこで何とか進めております.
ゆくゆく,詳しく説明させていただきます.


さて,直前のご案内となってしまいましたが,
7月26日(金)と27日(土)はJAXA相模原キャンパスの特別公開となります.

今年もIKAROS・ソーラーセイル関連で展示を行っており,
「宇宙帆船イカロス」「宇宙帆船による太陽系探査」として出展しています.
場所は第1会場(研究管理棟,A棟)の2Fで行われます.

昨年までのIKAROSの成果に加え,冬眠・探索運用の成果の紹介,
そしてさらにIKAROSの次の「ソーラー電力セイルによる木星圏探査」に向けた
セイルの試作状況などについても紹介する展示となっています.
主な展示は以下の通りです.
・「IKAROS」のPM展開機構,PMセイル膜面の展示
・次期ソーラー電力セイルの大型膜の試作セイル1号の展示
・ポリイミド材料,薄膜太陽電池などの展示
・セイル折り紙コーナー
・ソーラーセイルゲームコーナー
・IKAROS宇宙シミュレーター

開催案内等については以下のリンクをご参照ください.

ISASwebサイトからのご案内→
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/event/2013/0726_open/index.shtml

滞ってしまっているブログの分まで,
たくさん情報発信していきたいと思います.
みなさまのご来場をお待ちしております.


次回の運用は8/1(木)の予定です.(Y2)


7/25のIKAROS
太陽距離: 0.75AU
地球距離: 260194126km, 赤経=92.2°, 赤緯=22.2°
金星距離: 0.72AU(107896112km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.75AU
Earth Distance: 260194126km, RA=92.2deg, Dec=22.2deg
Venus Distance: 0.72AU(107896112km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
皆さん,お久しぶりです.Y3です.

本日(7月4日)の運用でも,無事IKAROSの電波を
捕捉することが出来ました.ありがたやm(_ _)m~☆


今回の冬眠明けでは探索運用初日の6月20日から
IKAROSを発見することができ,
続けて6月27日,7月4日と捕捉し続けているわけで,
結果としてあっさり見つかっているように思えますが,
実は,やはり裏では様々な努力がなされています.
その一例として,今日は長期軌道伝播のお話です.

昨年の9月に冬眠(1st Season)明けにIKAROSを発見して以来,
姿勢のダイナミクスがかなり絞れたため,
この冬眠(2nd Season)明けの運用において,
探索範囲がかなり絞られたことは事実です.

一方,冬眠(1st Season)明けにおいて,
正確な軌道決定を行うためのRangeのデータが
取得できなかったため,本日までの軌道伝播は,
2011年末に行った軌道決定値を初期値として1年数か月分
伝播しています.

軌道決定では,どれほど精度よく軌道を決めることが
できたとしても,必ず多少の誤差がつきものです.
この誤差は伝播時間(予測時間のようなもの)と共に
どんどん大きくなっていくため,
年単位で予測を行おうとすると,
その予測値が孕む誤差もハンパないことになります.

臼田アンテナ方向の予報のために軌道の長期伝播を
担当して下さっているメーカのSTさんも
これほど長い軌道伝播値を予報値として使ったことはない!
と仰っているほどで,通常の探査機の運用では
考えられないアクロバットな運用を行っています.

それほど大変なことを行っているため,
6月20日,6月27日,7月4日の運用においても,
実は最初に捕捉するまでに,予測した臼田アンテナの予報方向から
微調整を何度か加えた上で,ようやく捕捉できるといった
状況にありました.

この裏には,実は臼田地上局側の運用者の方のご活躍もあったのですが,
ページも足りなくなってきたので,その話は次回のお楽しみということで….


冬眠(2nd Season)を乗り越え,様々な知見を得たとは言え,
上述の通り,IKAROS運用もまだまだ侮れない状況にはあります.

とは言え,1st Seasonであれだけ時間をかけてIKAROSを発見したのに比べ,
今回,1回の探索運用で補足できたという事実からは,
我々のソーラーセイルの探索運用の実力が
確実に上がっていることも実感しています.

応援して下さっている方々には,我々の未熟さ加減で
まだまだご心配をお掛けしますが,
寿命を超えて航海中のIKAROSと共に,
どうぞ運用者側の方も温かく見守って頂けると幸いです.


PS:
つーか,運用やったならちゃんとBlog書いてよ!(6/27分)
ということは,ちゃんとOさんに伝えておきます(笑)


(Y3)


※以下の軌道情報は,参考値です.
7/4のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 259593490km, 赤経=104.0°, 赤緯=23.5°
金星距離: 0.73AU(109521641km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 259593490km, RA=104.0deg, Dec=23.5deg
Venus Distance: 0.73AU(109521641km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 ご無沙汰しております。KYです。

 IKAROSデモンストレーションチームを解散(平成24年度末)する時点で、
IKAROSが次回冬眠モード(*)明け(2回目)となる時期にデータ受信を
試みることとしていました。

(*)冬眠モード:IKAROSの回転中心軸と太陽の方向とのなす角(太陽角)
   及び太陽との距離の増加に伴い、搭載機器の消費電力に対して発生
   電力が下回ったため、搭載機器シャットダウン状態となる事象を
   冬眠モードと呼んでいます。
   つまり、IKAROSは太陽電池パネルに太陽の光があたると、その光で
   電気がつくられ、IKAROSのいろいろな機器を動かしているのですが、
   太陽の光が太陽電池パネルに当たらなくなる時期があって、電気が
   足りなくなるので、その間は全ての機器がOFFの状態のことです。


 平成25年6月20日(木)より状態確認のための運用を開始したところ、
データ受信が確認できました。(冬眠明けを確認できました)

 IKAROSの健康状態は継続して確認中ですが、IKAROSは今回も無事厳しい
冬眠を無事やりすごして見事に復活し、深い宇宙の中を航行中です。
 大変ありがたいことです。
 これでまた、IKAROSを利用した新たな研究成果創出の可能性が見出せる
ことでしょう。

 運用できる日もすごく限られているため、また、1回の運用のなかで確認
できることが限られているため、いろいろなタイミングや状態を見計らい
ながら、せわしない作業を行っています。

 前回のIKAROS探索には長い時間がかかりました。これには、初めての冬眠
モード期間だったため、次の大きな要因がありました。
 ①冬眠中のIKAROSの姿勢、回転状態の変化が予想しづらかったこと。
 ②このため、通信できない間にIKAROSの飛行経路の予想が広い範囲に
  わたっていたこと。
 ③臼田局のアンテナを向けられる方向と運用できる時間が限られている
  中で、たくさんの予想した方向にアンテナを向けながらIKAROSとの
  通信を試みるしかなかったこと。


 しかし、今回は違いました。1回目の運用でIKAROSからのデータ受信が確認
できたのです。これには 次の大きな成果が生きたことを証明しています。
 ①昨年の冬眠モード明けのデータ取得により、冬眠中のIKAROSの姿勢、
  回転状態、発生電力が十分に足りる時期が予想できたこと。
 ②IKAROSの飛行経路予想がごく狭い範囲に予想できたこと。
 ③限られた運用時間の中で、いかに効率よくIKAROSと通信するかの
  運用手順を組み立てられたこと。
 ④(Y2さんとY3さんの心眼能力が格段にあがったこと)
 ⑤(IKAROS君は、寝ている間に何か健康食品でもつまみ食いしているのか、
   宇宙で体でも鍛えているのか、寿命を確実に延ばして長生きして
   くれていること。)

 今回取得できたデータも糧にして次の研究や技術蓄積にも確実に役立てて
いきます。 



 また、大変ありがたいことに、様々なタイミングでたくさんの方から
メッセージや差し入れを頂いております。
 この場をお借りして御礼申し上げます。
 本当にありがとうございます。

( KY )




※以下の軌道情報は,参考値です.
6/20のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 260117171km, 赤経=84.3°, 赤緯=23.2°
金星距離: 0.76AU(113257894km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 260117171km, RA=84.3deg, Dec=23.2deg
Venus Distance: 0.76AU(113257894km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg





6月20日は何の日?

 ・小惑星「エウレカ」を発見。火星のトロヤ群で始めて発見された小惑星
  (1990年)

 ・Y2さん、Y3さんの心眼仙人称号授与日。(いえ。まだまだです)

Category: Operation
Posted by: IKAROS
たびたびご無沙汰しております,Y2です.
月1回ペースで何か書くと宣言していましたが,かなり日が経過して
更新を年度末ギリギリまで引き延ばしてしまいました.申し訳ありません.


さて,下記のJSPECホームページにて
「IKAROSデモンストレーションチームの解散」についてお知らせしております.
http://www.jspec.jaxa.jp/hottopics/20130328.html

IKAROSの次の計画である「ソーラー電力セイルによる外惑星領域探査計画」を加速するため,
一度IKAROSの成果を整理してまとめる必要があり,終了審議という形をとりました.
ここでまとめた成果も反映させて,次期ソーラー電力セイル計画に向けた研究開発を
今後IKAROSチームのメンバーを中心としてさらに本格的に進めていきます.

この次期計画の研究開発の中においてIKAROS運用の継続は非常に大きな価値を持っており,
次年度でも引き続き研究ベースで実施するため,現在調整を進めています.

初夏に予想される二度目の冬眠明けで再び電波を捉えられれば,
ビーコン運用により,さらに長期的な姿勢・軌道情報の取得が期待できます.
さらに電波状態がよくテレメトリデータを取得できる状態になれば,
セイルの画像や薄膜太陽電池の発電性能などの詳細なデータを取得できる可能性もあります.
前回の冬眠明けの運用では取得できなかったこれらのデータが取得できれば,
これまで打ち上げから約1年分しか評価できていなかった
セイル膜面の機械的な劣化・形状変化や薄膜太陽電池の発電性能の経年変化が
一気に約3年分まで評価できることになります.
約15年の長期にわたるミッション期間を想定している次期計画において
このような長期にわたったデータの評価は重要な情報となります.

世界で唯一無二のソーラー電力セイルから少しでも発展的な情報を引き出し
次期計画に反映するため,IKAROS運用はぜひとも継続したいと考えています.


次期ソーラー電力セイル計画に向けた研究開発については,
これまでも運用と並行して着々と進めてきてきました.
その主な活動の一つとして,次期計画に向けたセイル・展開機構などの試作を進めています.
外惑星探査に向けたソーラーセイルのサイズはIKAROSの約15倍となり,
薄膜太陽電池がセイルのほぼ全面にわたって貼り付けられることになります.
これらの違いによって新たな対処すべき課題がいくつか出てきており,対策が必要となります.

・IKAROSではベースとなるポリイミドフィルム上に
 薄膜太陽電池などの搭載デバイスを部分的に配置していく方法をとりましたが,
 搭載デバイスが大部分を占める次期セイルでは,これらのデバイスをユニット化して
 ユニット同士をパッチワーク的に接続していくようにするほうが作業ロスが少なくなります.
 このような方法で,製作精度を保ちながら大型セイルを製作する手順を確立するため,
 まずはIKAROSクラスのサイズで試作を行っています.

・IKAROSに対してさらに薄膜太陽電池の軽量化を進めていますが,
 それでも次期セイルの重量はIKAROSの15倍以上の重量になる見込みです.
 打ち上げ時の加速の中でもこのセイルを保持し,
 さらに軌道上で確実に展開するための「展開機構」の改良も進めています.

・セイルのサイズ・折数が増えて,さらに薄膜太陽電池の厚みの影響が出てくると,
 セイル収納時に「巻きつけの内外周差」の問題が出てきます.
 カレンダーをくるくる丸めると先端の位置がずれてきますが,
 これを蛇腹状に折り畳んだセイルでやってみると,先端位置ではなく折線がずれるのです.
 (ペーパークラフトをお持ちの方は,ぜひ試してみてください.)
 このような折線のずれを抑えながら巻きつける方法を,大きなセイルを使って実験をしながら
 いろいろ検討してきました.この検討に基づいて新たなセイル収納装置を開発し,
 試作したセイル・展開機構と合わせて,今後本格的に巻きつけ実験を進める予定です.


研究以外の話題も日記っぽくいくつか紹介しておきましょう.

・「ソーラーセイルによる深宇宙探査・航行技術の実証的研究」という研究題目で
 津田さんが宇宙科学振興会の「第5回宇宙科学奨励賞」を受賞されました.
 授賞式にはIKAROSチームメンバーも連れだって参加させていただきました.
 授賞式の後に久しぶりにチームメンバーで飲みに行けたのが個人的には嬉しかったです.
 はやぶさ2等で非常に多忙なメンバーが多い中,奇跡的な人数の揃いっぷりでした.

・TVの取材で,セイル折りたたみの作業風景の撮影やインタビュー撮影などがありました.
 IKAROS特集を組んでいただいており,4月中旬に放送される予定です.たくさん噛みました.

・IKAROS打ち上げ時に在籍していた川口研究室の学生さんは,みな卒業となってしまいました.
 長く一緒に頑張ってきた同志でもあり,ついついしんみりしてしまいます.
 卒業してもみな宇宙開発関係の道に進むそうで,
 IKAROSの経験を生かして大活躍してくれると確信しています.
 残った学生さんたちにも,セイルの製作・取扱いのノウハウなど,しっかり引き継いでいます.


あと,遅くなりましたが,前回話題にしましたバレンタインデーの贈り物の紹介がまだでした.
↓ ↓ ↓
20130330-Valentine2013_1.jpg
お手紙もたくさんいただきありがとうございました.じっくり読ませていただきました.
20130330-Valentine20132.jpg
みなさま本当にありがとうございます.
箱を開けたらイカロス君たちがいっぱい,みたいなチョコとかいろいろあったのですが,
写真におさめる前に私たちの胃におさまってしまいました.申し訳ありませんm(_ _)m


みなさまの応援もぜひ今後とも継続していただけますと幸いです.
そのためにも,当ブログで定期的に情報発信していければと考えております.
私ばかり書いてもつまらないですし,Oさんを見習って
「あ,あのぉ,ちょっといいですか?」とチームメンバーにお願いしていこうと思いますので,
みなさま,ブックマークは消さないようによろしくお願いします!(Y2)


3/29のIKAROS
太陽距離: 1.00AU
地球距離: 282,764,318km, 赤経=-8.2°, 赤緯=-5.8°
金星距離: 0.60AU(89,339,026km)
姿勢: スピンレート=**rpm,太陽角=**°

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.00AU
Earth Distance: 282,764,318km, RA=-8.2deg, Dec=-5.8deg
Venus Distance: 0.60AU(89,339,026km)
Attitude: Spin Rate=**rpm, Sun Angle=**deg