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第7号 1994年4月5日発行

目次


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スーパーコンピュータとベクトル並列計算
第2回 ベクトル(パイプライン)処理

 前回はスカラー、ベクトル、パラレル処理を模式的に説明しました。今回はベクトル処理に関して考えてみましょう。ベクトル型、すなわちパイプライン処理を行うスーパーコンピュータでは、命令実行はステージと呼ばれる細かな動作に分割され、連続的に処理されます。ステージは、前回の模式図の消火作業の例で言えば、水を汲む、バケツを手渡しする、といった作業に相当します。ベクトル処理は一般的には図1のように描けます。J=1 について第1ステージ(ロードなど)が終わると、J=1 は次のステージに移ります。同時に、J=2 が第1ステージに入ります。以下、同じようにして、各 J がところてん式にステージを進みます。従って、ある時間では、各 J では同時に異なったステージの作業をしていることになります。これがパイプライン方式です。消火作業の例からもわかるように、スカラー計算機では J=1 に関するステージがすべて処理されて初めて J=2 の処理がはじまりますので、時間がかかります。ここでは説明を簡単にするために、ステージの単位を演算全体にとりましたが、実際にはより細かい命令に相当します。今回はこの程度にして、次回は ○○GFLOPS とかいうスーパーコンピュータの性能とベクトルプログラミングについてお話ししてみましょう。


図1

(藤井 孝蔵)


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PLAINセンター運営委員会

 標記委員会が、3月4日に宇宙研にて開かれました。PLAINセンターは、従来の資料解析センターの理学の業務に加えて、計算機、ネットワーク、データベースといった、工学的な業務も担当するため、運営委員会も工学の先生方にも加わっていただき、新たなメンバーで発足したものです。所の内外の先生方に、高い立場から広く、センターの運営につきご意見をいただきました。世の中の情報化の進展が、ますます加速する中で、当センターに対し、内外からの期待が大きいことをひしひしと感じた次第です。今後、宇宙科学における情報処理、情報伝達、情報蓄積の3大分野において、21世紀を見通したビジョンを打ち出して皆さんの期待に応えていく必要を感じました。           
(中谷 一郎)


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第2回VPP並列化プログラミング研究会

 4月26日(火)午後1時半より4時半まで
 宇宙科学研究所、本館5階会議室で、
 VPP500の並列化プログラミングに関する研究会を行います。

 前回と同じように、富士通の方に効率良いプログラミング手法の説明をしていただきますが、今回は、並列化プログラミングの基本的概念は理解していることを前提とし、具体的なプログラムに基づいた説明も加える予定です。所外の方の参加も歓迎いたします。

 また、VPPを初めて使う方を対象にした説明会は、5月下旬に予定しております。
連絡先:PLAINセンター
星野真弘(内線2006)     

(星野 真弘)


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衛星運用と計算機(第三回 )

I.ネットワークプリンタについて

 今回は予定を変更して、衛星データQLの流れを図にまとめてみました。もちろん、これらシステムの作成に筆者が関与したのはほんの一部であります。

 次回はプログラム作成に参加しているMUSES-B試験用のテレメトリサーバシステム(下図「SSOC MUSES-B試験時」の部分)について紹介します。


(周東 晃四郎)


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大型計算機に関するお知らせ

氈Dネシステム・プログラムの相談窓口について

 システム・プログラムの相談窓口は、2月号でお知らせした通り原則としてSE 高橋氏(内線2063)が受け、相談内容の切り分けにより各担当者が対応しますので御協力お願いします。

 尚、VPP500 並列処理プログラム相談については4月以後も下記の曜日に坂下氏(内線2072)が対応します。

4/5 〜 8/30 火、木曜日

.計算機使用料金の一部改定について

1. ファイル使用料

1-1)
一般ファイルの料金
現料金は100円/月・MBですが、新料金は20円/月・MBとなります。
1-2)
VPP500大容量ファイル料金(利用申請が必要)
料金は新料金で、最大容量1.5GB,最大期間3ケ月以内の容量・期間に応じて、申請時に一括課金となります。
1-3)
VPP500 BEP用一時使用ファイル
最大容量1GB,期間3〜4日の場合は無料です。
2. VPP500のPE並列による使用料金

 計算法については3月号で説明しました様に、K=0.6 でCPU基本単価は、0.5 円/秒で4 時間以上は無料になり、最長10 時間以内です。PE 数Nと料金の倍率は下表の通りです。

N 1 2 3 4 5 6 7
倍率 1.0 1.6 1.849 2.039 2.200 2.342 2.470


。.MSPパスワードエラーによるリボーグのエラー回数の変更

 現在、連続5回エラーするとリボーグされますが、連続50回に変更します。ワークステーションからの自動ログインに対応するためです。

「.大型計算機4月・5月連休の運転予定

 *
昨年は、連続運転中の稼働率が低かったので、
今年は大いに利用して下さい。
」.大型計算機の4月・5月の保守作業予定

4月15日(金)
9:00〜13:00
M770/10#2定期保守
4月24日(日)
9:00〜18:00
LLUアップグレード作業
WSサーバーPTFアップ作業
LANは一日停止となります。
5月20日(金)
9:00〜13:00
M1800定期保守

 以上を予定して居りますのでよろしく御協力お願い致します。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-51-3911,内線 2611)