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第66号 1999年4月14日発行

目次


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衛星運用工学データベース「EDISON」試験運用開始

 以前にもこの「PLAIN センターニュース」紙上でお知らせいたしました、衛星運用工学データベースの試験的な運用を開始いたしました。当データベースシステムは、英語名である「Engineering Database for ISAS Spacecraft Operation Needs」の頭文字をとって「EDISON」と命名されました。

 皆さまもご存じの通り、宇宙研の科学衛星から得られる科学的成果は大変大きなものとなっており、これを広く研究者の方々に効率よく活用していただくための「サイエンスデータベース」の充実を PLAIN センターで進めています。また、これらの衛星の運用については日々細心の注意を払って行われており、衛星の観測データを得るために必要不可欠な活動であることは言うまでもありません。今回試験的に運用開始する「工学データベース」は、その際に必要な情報を抽出して整理し、実際の衛星運用関係者に効率よく提供する目的を持っています。現時点でこのシステムで提供しようとしているデータ項目は、次の通りとなっています。ただし、今回は試験運用のため、まだ未登録の情報があります。

1)衛星のテレメトリデータとして送られてくる、電源系・通信系・軌道及び姿勢制御系・データ処理系・熱制御系などの衛星自身からのデータ
2)運用時の受信ステータスや受信レベル、アンテナの方向、そのときの天候などの地上局のデータ
3)距離及び距離変化率の計測データ
4)軌道決定から決まるデータ(探査機から地上局や太陽までの距離・日陰率など)
5)探査機姿勢情報から決まるデータ
6)運用日誌

 「EDISON」は、外部的にハードディスクを増設したワークステーション一台のみで構成されており、きわめてシンプルなシステムです。このワークステーションが、衛星運用系ネットワーク上に接続されている様々なデータを蓄えているサーバー群にアクセスして、必要なデータを抽出、「EDISON」本体に必要な形式で格納するという作業をひとまとめにこなしています。

 これらの情報をネットワーク経由で提供するために、「EDISON」では「HTML:Hyper Text Markup Language」を使用して、WWWと同様のユーザーインターフェースを持たせてあります。データの性質上、アクセスできる利用者には制限を加えており、最初にユーザー認証を行うことになっていますが、衛星運用上、この情報が必要と思われる方でまだユーザー登録をなさっていない方がいらっしゃれば、申請手続きをしていただくことによりこのシステムを利用することができます。ログイン後は、ホームページのブラウズと同じ感覚でデータ項目・日付等の選択を行って、必要なデータを閲覧することができます。データ本体はブラウザで見た際に各データ項目のラベルと対応がとれるようにスペース区切りで格納されていますので、そのままでも容易に閲覧できますし、データをダウンロードして、手元で加工する事も可能です。ただし、そのためにデータファイルのサイズが大きめになっているため、所外のネットワークからの利用の際に多少、時間と負荷がかかると思われます。これに関しては、データ圧縮等の技術を用いることによって利用環境の改善を計っていくつもりです。

 まだ、現段階ではデータの登録が終わっていない項目も多々ありますが、引き続き登録作業を急いで進める予定です。今後も本システムをさらに充実したものとするため、実際に「EDISON」にアクセスしていただいた方々の、「ここはこうした方がいいのでは?」などの生の声をお聞かせくだされば幸いです。

 最後になりましたが、この「EDISON」の構築に当たって、多くの方々からのご意見、ご要望お聞かせいただき、また実際の設定作業の際にも宇宙研・太陽系プラズマ研究系の早川基先生をはじめ、多くの方々の多大なるご支援をいただきました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。今後とも「EDISON」を宜しくお願いいたします。


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(長木 明成 、橋本 正之)


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宇宙研の学術情報ネットワークノード校化

 昨年の PLAIN センターニュース (8月号) でもお知らせしましたように、宇宙研が学術情報ネットワーク (SINET) のノード校となりました。

 昨年末より B 棟のネットワーク機器室の一角をSINET 用に提供し、SINET のノード機器の設置作業が行なわれました。この春より宇宙研ノードは本格稼働が始まり、上流は東京大学、下流は山梨大学と接続されることとなりました。また宇宙研ノードは近隣の大学等の SINET 接続も順次受け入れつつあります。

 昨年まで宇宙研は 3 Mbps の専用線を用いて電気通信大学経由で SINET に接続されていましたが、 現在は宇宙研ノードに接続先を変更し、 宇宙研〜SINET 間の高速通信が可能となりました。 

(三浦 昭)


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新スーパーコンピュータの運用開始について

 本年度から新しいスーパーコンピューターシステムによるサービスが始ります。新機種は既に昨年の11月号でお知らせしましたように富士通(株)製の VPP800/12 です。基本的には現行の VPP500/7 システムと同じベクトル並列計算機であり、利用方法に大きな変更はありません。計算能力に関してはピーク性能 96 Gflops 総主記憶容量 128 GB となります。実機は既に搬入され、現在、一般公開に向けて試験運用中です。 今後の予定としましては、非並列ジョブのみの制限付で連休明けから一般公開が開始されます。これまでの VPP500 の作業領域上にあるファイルはこの時点で VPP800 の作業領域ディスクへバックアップされます。並列ジョブの一般開放は6月1日(火)からを予定しております。   

(篠原 育)


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PLAIN センター運営委員会報告

 3月29日、PLAIN センター運営委員会が開かれました。この委員会は、宇宙研内外の有識者の先生方に当センターの1年間の活動を報告するとともに今後の活動方針を審議していただくことを目的として、毎年3月に開かれていますが、毎回貴重なご意見と提案をいただき、大変有意義な委員会になっています。今年度のトピックスはネットワークでした。宇宙研の科学衛星プロジェクトはいずれも国際協力を精力的に推進しており、それをサポートする国際回線の重要性は日増しに高まっています。幸いにして宇宙研が SINET のノードになったおかげで SINET のバックボーンとの接続が強化されたことを利用して、国際回線の増強方法について貴重なご意見をいただきました。ネットワークのもう一つの話題はクラッキング対策とセキュリティー保護に関するもので、これについても種々貴重なご意見をいただきました。今後の活動に生かしていきたいと思いますので、皆様のご協力をお願いいたします。

(PLAIN センター長 向井 利典)


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大型計算機に関するお知らせ

1.大型計算機の4月・5月の保守作業予定

※1M:システムメンテナンス
※2VX の保守作業では、実行中のジョブはシステムフリーズの状態で行いますので、特に事前のイニシエータクローズ等は行いません。

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2.大型計算機4月・5月連休の運転予定



※3VPP 500 は現在継続運転を続行中です。VPP 800 については別項(篠原氏報告)を参照願います。


3.システム・プログラムの相談窓口について

 システム・プログラムの相談窓口は、前年度も何回かお知らせしたとおり、原則として SE 高橋氏(内線 8391)が受け、相談内容の切り分けにより各担当者が対応しますのでご協力お願いします。


4.大型計算機の登録予算及び端末台数の確認について

 大型計算機の課題登録・更新処理にご協力頂き大変ありがとうございました。お陰様で年度末処理も無事実行出来ました。

 平成10年度の各研究室の使用料金と年度収支報告と共に、平成11年度の大型計算機登録予算及び端末台数の確認書(返送用)を同封しましたので、必要事項を記入の上4月22日(木)までにシステム管理・関口宛(A棟2F庶務ポスト7B大型計算機)にご返送ください。又記入上不明な点がございましたら関口(内線8386)に連絡ください。

(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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