- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
きたる7月4日に内之浦の発射場からM-Vロケット3号機で打ち上げられる日本初の火星探査機PLANET-Bに,27万人の名前を焼き付けたアルミ板が5月末いよいよ装着されます。
全国から感動とともに寄せられた27万人の人々の名前は,一人一人が2cm×6cmの四角に記入されています。これを一枚一枚丁寧に切り取り,A3の紙に貼りつけると105個の名前で一杯になります。このA3を25%に縮小コピーしたものをもう一度A3に貼り直すと,そのA3には1,680名の名前が含まれています。そのA3をA0の用紙に貼ると8枚入ります。このA0を撮影すると,そのネガ1枚に13,440名の名前が含まれていることになります。
このネガをアルミニウムの板に焼き付けます。アルミの板は3.2cm×4.5cmの大きさで厚さ0.2mmで重さ1グラムです。このようなアルミ板を20枚作りました。2cm×6cmの四角に数名の名前を書いている人がいたせいもあって,20枚のアルミには,応募された27万694名の名前のすべてを焼き付けることができ,余ったスペースに,先頃惜しまれながら他界した宇宙科学研究所の山本達人さんの遺影や,初の衛星「おおすみ」と最新の衛星「はるか」の実験班員の寄せ書きなども含むことができました。
このアルミ板20枚をダイナミック・バランス内に収容したPLANET-Bは,相模原キャンパスでの総合テストを終え,6月初旬には,フライト・オペレーションのため内之浦入りします。
なおこのアルミ・プレートはレプリカを作製し,8月29日に行われる宇宙科学研究所の一般公開において,顕微鏡ルーペによる閲覧に供する予定です。
(的川泰宣)
|
|
---|
- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
前回‘日本企業映像フェスタ'97’に続いて科学技術映像祭で科学技術庁長官賞ポピュラーサイエンス部門を受賞。
4月17日科学技術館サイエンスホールにおいて授賞式が行われ,61作品の中から16作品が選定された。
受賞に際して「人工衛星を設計し,宇宙に打ち出すまでに実に様々なことが行われ,打上げ時のショックや宇宙空間での厳しい温度差などのため,何度も試練を繰り返し,試行錯誤してとても長い時間と大きな労力がそそぎ込まれていることや,副題にもあるように,人工衛星に携わる人々にとって人工のものに魂をそそぎ込んでいくことが示され,良く理解できます。」と高い評価をいただいた。
(渡邊遊喜枝)
|
|
---|
- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
今年17回目の講演と映画の会は,4月25日(土)千駄ヶ谷の津田ホールが満席になるほどの多くの方々を集め,開催された。
的川教授の司会進行で,講演に先立ち西田所長の OHP を使った宇宙研の現状及び挨拶から始まり,平林教授による −「はるか」がつくる巨大な瞳 −,そして上杉教授による − いざ小惑星へ − の講演と活発な Q&A も行われ,講演が終了した後も講師の先生に日頃抱いている質問が熱心になげかけられ,宇宙の関心度の大きさをここでも感じさせられ,有意義な講演と映画の会でした。
(渡邊遊喜枝)
|
|
---|
- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
3月8日の夜,「GEOTAIL」衛星はまさに凍てつくばかりに冷え込みました。ふだんは太陽光エネルギーのお陰で快適な温度に保たれているのですが,この夜,201分という長時間の日陰(蝕)に入ったからです。温度にクリティカルな機器はいつものように予め予熱をしていたので,ほんとにクリティカルなところまでは下がらずにすみましたが,なにもできない衛星外部表面の温度は -50゜,内部でも多くの機器が搭載されている上部シェルフの温度が -20゜以下にまで下がりました。打ち上げ前の電源系・熱設計における日陰時間の条件は2時間以内ということでしたが,バッテリー容量も一部の観測装置をオフすることにより無事切り抜けてその後も元気に観測を続けています。「GEOTAIL」はその名の通り地球の尻尾を観測する衛星で,当初のミッション期間は3年半の予定でした。その間には2時間を越える日陰が生じないように軌道修正が行われていたわけですが,遂に燃料がつきた現状では長時間の蝕に入るのはやむをえません。いうなれば,今や余生を送っているはずの身ですが,衛星本体も観測装置も余生というにはあまりにも元気で,他のISTP衛星との共同観測では今も中心的な役割を果たしています。特に,磁気圏尾部におけるプラズマ粒子の速度分布関数の観測を通して,巨視的構造変化とそこでのミクロなプラズマ過程の関連で数多くの新しい概念を打ち出しつつあります。
「GEOTAIL」衛星への期待はまだ当分続くものと思われます。
(向井利典)
|
|
---|
- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
「はるか」の電波天文観測は 1.6 GHz (波長18cm),5GHz (6cm)と 22 GHz (1.3cm)で行なう予定でしたが,打ち上げ後すぐ 22 GHz の検出器がうまく動かないことが分かりました。従って「はるか」の 22 GHz ポインティングも非常に測りにくくになってしまいました。
けれども 今年1月に鹿児島大学電波天文学グループがオリオン散光星雲の水メーザーがどんどん明るくなってくることを発見しました。水メーザーの周波数は 22 GHz バンドにありますので,急いでオリオン水メーザーの観測を計画しました。3月17/18日の観測により 22 GHz ポインティングを測りました。3月20/21日「はるか」がそのポインティング測定結果を使って,米国のVLBAと同時にオリオン水メーザーを観測しました。4月10日ニューメキシコ州のソコロにある相関局からニュースが届きました…干渉フリンジが出ました!
残念ながら「はるか」にとって4月から9月までオリオンが太陽に近過ぎるので観測できません。けれども,15年前のオリオン水メーザーバーストは1.5年以上つづきました。もしこんどのバーストがほぼ同じようにつづけば,10月の「はるか」と地上電波望遠鏡の 22 GHz フリンジを期待できます。
そうしている間に比較的に弱いクェーサーの 22 GHz フリンジを探しています。
(Philip・Edwards)
|
|
---|
- Home page |
- No.206 目次 |
- 研究紹介 |
+ ISAS事情 |
- SELENE計画について |
- 火星探査入門 |
- 東奔西走 |
- 宇宙輸送のこれから |
- いも焼酎 |
- 編集後記 |
- BackNumber |
本年の春の褒章の受章者が,さる4月28日に発表され,宇宙科学研究所の西田篤弘所長に紫綬褒章が贈られました。
西田先生が磁気圏の構造・運動に関する物理学の研究分野で,世界的なリーダーの一人として活躍されてきたことは周知のとおりですが,御功績がこのような形で認められたことは,私たちにとってもまことに喜ばしいことです。
(中谷一郎)
|
---|
|
|
---|
|
---|