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大気球放球実験B09-07号機終了

2009年9月11日(金)6時19分に、圧力気球飛翔性能試験を目的としたB09-07実験として、2009年度第二次気球実験の3号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積60,000m3の圧力気球で、およそ毎分270mの速度で上昇しました。

気球は、放球約2時間後に大樹航空宇宙実験場東方約130kmの太平洋上、高度32.6kmで気球内部の圧力が外部大気圧より高い与圧状態で水平浮遊状態に入りました。しかし、気球が完全に展開せず、一部のフィルムが折り重なった状態であったため、気球内外の圧力差を高めるために高度を上昇させた途上、8時33分に高度33.1km (気球の内外の圧力差69Pa) で気球が破壊しました。その後、観測器および気球は厚岸郡浜中町南方約40kmの海上に降下しました。

本飛翔性能試験は、100日間以上の超長時間飛翔を可能とする次世代気球「圧力気球」開発の一環として、日本で初めて中型の圧力気球を与圧状態で水平飛翔させ、気球が上昇するに伴って正しい形状に膨張することを確認し、成層圏飛翔中の耐圧性能を評価することを目的として実施されました。気球の展開が不完全ではありましたが、圧力気球を成層圏で水平飛翔させることができたことは、今後の圧力気球の実用化に向けた大きな成果でした。今後は、気球フィルムの展開が不完全であった原因を探求し、また今回の実験での破壊圧力差の妥当性を検討していく所存です。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速:毎秒2.5m、気温:摂氏10度でした。

本実験をもちまして2009年度第二次気球実験を終了します。
ご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。

大気球B09-07号機の放球のようす

大気球B09-07号機の放球のようす

2009年9月11日

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