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大気球放球実験B09-08号機終了

2009年8月27日(木)6時21分に、高エネルギー電子・ガンマ線の観測を目的としたB09−08実験として、2009年度第二次気球実験の2号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積100,000m3の大型気球で、およそ毎分360mの速度で上昇しました。

気球は、放球約2時間後に大樹航空宇宙実験場東方約75kmの太平洋上、高度33.9kmで水平浮遊状態に入りました。その後気球は2時間30分の間、西南西に飛翔し、11時00分に指令電波により観測器を気球から切り離しました。切り離した観測器は広尾町東方約25kmの海上に緩降下し、11時45分までに回収船によって回収されましたが、観測器切離し後の気球の降下速度が所定より遅くなったため、海上での回収を予定していた気球は、北海道広尾町の山中に着地いたしました。関係各方面の方々のご協力に感謝申し上げますとともに、ご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。
本件については、対策を検討するため、原因究明を行うこととしております。なお、被害の報告はありません。

本実験は、高エネルギー電子・ガンマ線の観測により宇宙線の起源や伝播機構の解明を目的として、早稲田大学、神奈川大学、芝浦工業大学、横浜国立大学及び宇宙航空開発機構の共同で実施しました。観測装置は、約2時間30分の水平飛翔の間におよそ13,000事象の高エネルギー電子線のデータを取得し、目的とする1~100ギガ電子ボルトのエネルギー領域での一次宇宙線電子成分のデータを正常に取得しました。また、気球上昇中の約12,000事象を含めて20メガ電子ボルト以上のエネルギーの大気ガンマ線のデータも予定通り取得しました。今後、本観測で取得したデータの詳細な解析を行ない、今後の国際宇宙ステーションにおける本格観測装置(CALET)の開発にも役立てて行く所存です。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速:毎秒4.0 m、気温:摂氏17度でした。

2009年8月27日

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