DES2
液体推進デトネーションエンジンシステム(DES2)
デトネーションエンジンは、極めて高い周波数(1~100kHz以上)でデトネーション波や圧縮波を発生させることにより反応速度を格段に高めることで、ロケットエンジンを革新的に軽量化し、また圧力推力を容易に生成し、高性能化する。デトネーションエンジンは、キックモーター、初段・2段エンジン、小型衛星・探査機用エンジンなどの多様な宇宙推進分野への応用が可能であり、現在、宇宙用高性能エンジンとして、実用化を視野に入れた研究が日欧米、アジアで活発である。
本実験では、観測ロケットS-520-34号機に、液体推進剤を搭載したデトネーションエンジンシステムを搭載し、宇宙空間にて,旋回型デトネーションエンジン(RDE)の燃焼及び推進性能のデータを取得する。燃料にはエタノール、酸化剤には液化亜酸化窒素(N2O)を用いる。これらは窒素で加圧され、RDEに供給される。写真は、フライトモデルと等価なコンポーネントによって構成されたブレッドボードモデル(BBM)であり、本BBMの地上燃焼試験にて、エンジンへの燃料・酸化剤が安定に供給されることを確認している。

BBM地上燃焼試験の様子
