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2012/06/13 18:30 JST: ACMに参加しました。
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
ご無沙汰いたしております、ばあやです。5/16から20まで新潟で開かれた、Asteroids, Comets, Meteors という国際学会(略称はACM)に参加して参りましたよ。この学会のお名前は、直訳すると、小惑星、彗星、隕石です。つまり、これらの太陽系小天体の研究者たちが世界各国から集まってきて、最新の情報を交換したり、議論をしたりするの。この学会は、世界中のいろんな国で開かれているのですが、今年の開催国は日本でした。
http://chiron.mtk.nao.ac.jp/ACM2012/ (学会のサイト。英語)
ACMでは、小惑星、彗星、隕石に関する、ありとあらゆる発表が行われたわ。会場の熱気までは持ち帰れませんでしたが、せめて、雰囲気だけでも皆様にご紹介いたしましょうね。一つ一つ詳しくご説明すると、とてつもない量になってしまいますから、あくまでざっくりとしたご紹介だけで許して下さいね。
探査機関係でいえば、はやぶさ君が観測したイトカワ本体やその微粒子の解析結果や、NASAの探査機ドーンが観測した小惑星ヴェスタの最新情報が盛りだくさんでしたよ。ヴェスタは直径500 kmもある、大きな小惑星で、イトカワとは別のタイプの小惑星よ。真ん中が少し盛り上がった形の、とても大きなクレーターがあるのでも有名なの。ディープインパクト、改めエポキシという、彗星探査機の報告もあったわ。
直接小天体まで、出かけて行った子たち以外にも、あかりちゃんのように大気圏外から観測する衛星たちの観測結果もたくさん発表されていたわよ。太陽にあぶられた小惑星の表面は、赤外線で見るとそれなりに明るいから、あかりちゃんが活躍できるのよ。赤外グループの皆さんは、例の赤いはっぴを着て発表していたわ。
もちろん、地上の望遠鏡達も頑張っていたわよ。地球に衝突するかもしれない小惑星をいち早く発見するための望遠鏡とかね。また、レーダー観測で地球に近づいた小天体の形を観測した発表もあったわ。はやぶさ君を見守るのを手伝ってくださった、DSN70mさんの名前を聞いた時は、とても懐かしかったわ。小天体が地球にぐんと近づいたときだけ。とは言ってましたが、最大解像度が4mだなんて、レーダー観測もすごいのね。
太陽系の外側をめぐる彗星や、カイパーベルト天体についても観測が進んでいるようですね。
もちろん、比較的地球の近くに来る小惑星に関しては、もっと、いろいろと詳しいことが分かってきたみたいですよ。例えば、高速で回転していて、赤道部分が膨らんだ、鈴カステラやどら焼きみたいな形の小惑星があること。衛星を持っている小惑星があること。この観測事実を受けて、コンピュータで計算する人たちは、小惑星を構成する岩のかけらが、小惑星の自転によって、鈴カステラ型になって、更に、盛り上がったところが飛び出して、衛星になる様子を計算で再現してましたよ。小惑星イダに衛星ダクティルがあったことも、ダクティルが案外丸かったことも、今からすると、そこまで珍しいことではなかったのですね。NASAの探査機ガリレオさんが、衛星を持った小惑星を初めて見つけてくれたときは、ずいぶんびっくりいたしましたが。
ありとあらゆる観測手段を使って見つけた小惑星たちは、何回も観測されて軌道を推定されていくの。観測条件にもよるけど、単純にいえば、何回も観測すればするほど、軌道の予想制度は上がるわ。だから、地球にぶつかるかもしれない小惑星たちが見つかったら、それらを更によく観察するのよ。そうやって見つかってしまうかもしれない、地球に衝突する可能性の高い小惑星たちを、どうやったら避けられるかという研究もあったわよ。具体的には、計画的に小惑星を地球と衝突しない軌道に押しやる方法が提案がされているそうですよ。
もちろん、隕石そのものの研究、流れ星の研究、その他、ありとあらゆる太陽系小天体に関する議論が行われたのよ。本の一部しか、ご紹介できないのが残念です。
これからの小天体探査に関するセッションも行われていて、もちろん、はやぶさ2君やはやぶさマーク2の進化型の紹介があったわよ。外国の探査案も目白押しです。とてもわくわくしますよね。
そんな興味深い口頭発表が次々と続く公演会場の入り口横には、「はやぶさ」と「はやぶさ2」のポスターが貼り出されていましたよ。ポスターは英語でサイズも大きいので、オリジナル版とともに、サムネイル版、日本語版なども合わせてご紹介させていただきたいと思います。ただし、量が多いので、準備が整い次第、順次ご紹介させていただきますね。表題を合わせて、全部で11枚ありますよ。詳しくはこちらをご覧くださいね。
ACM2012 「はやぶさ」と「はやぶさ2」の展示コーナー紹介(はやぶさ帰還サイト)
はやぶさ君のデータや、微粒子君たちのデータの解析は、たくさんの研究機関とJAXAとの共同研究という形で行われているわ。最後になりましたが、その成果を帰還ブログにも転載することに快く同意してくださったポスター制作者の皆様方に心から感謝申し上げますよ。(ばあや)
http://chiron.mtk.nao.ac.jp/ACM2012/ (学会のサイト。英語)
ACMでは、小惑星、彗星、隕石に関する、ありとあらゆる発表が行われたわ。会場の熱気までは持ち帰れませんでしたが、せめて、雰囲気だけでも皆様にご紹介いたしましょうね。一つ一つ詳しくご説明すると、とてつもない量になってしまいますから、あくまでざっくりとしたご紹介だけで許して下さいね。
探査機関係でいえば、はやぶさ君が観測したイトカワ本体やその微粒子の解析結果や、NASAの探査機ドーンが観測した小惑星ヴェスタの最新情報が盛りだくさんでしたよ。ヴェスタは直径500 kmもある、大きな小惑星で、イトカワとは別のタイプの小惑星よ。真ん中が少し盛り上がった形の、とても大きなクレーターがあるのでも有名なの。ディープインパクト、改めエポキシという、彗星探査機の報告もあったわ。
直接小天体まで、出かけて行った子たち以外にも、あかりちゃんのように大気圏外から観測する衛星たちの観測結果もたくさん発表されていたわよ。太陽にあぶられた小惑星の表面は、赤外線で見るとそれなりに明るいから、あかりちゃんが活躍できるのよ。赤外グループの皆さんは、例の赤いはっぴを着て発表していたわ。
もちろん、地上の望遠鏡達も頑張っていたわよ。地球に衝突するかもしれない小惑星をいち早く発見するための望遠鏡とかね。また、レーダー観測で地球に近づいた小天体の形を観測した発表もあったわ。はやぶさ君を見守るのを手伝ってくださった、DSN70mさんの名前を聞いた時は、とても懐かしかったわ。小天体が地球にぐんと近づいたときだけ。とは言ってましたが、最大解像度が4mだなんて、レーダー観測もすごいのね。
太陽系の外側をめぐる彗星や、カイパーベルト天体についても観測が進んでいるようですね。
もちろん、比較的地球の近くに来る小惑星に関しては、もっと、いろいろと詳しいことが分かってきたみたいですよ。例えば、高速で回転していて、赤道部分が膨らんだ、鈴カステラやどら焼きみたいな形の小惑星があること。衛星を持っている小惑星があること。この観測事実を受けて、コンピュータで計算する人たちは、小惑星を構成する岩のかけらが、小惑星の自転によって、鈴カステラ型になって、更に、盛り上がったところが飛び出して、衛星になる様子を計算で再現してましたよ。小惑星イダに衛星ダクティルがあったことも、ダクティルが案外丸かったことも、今からすると、そこまで珍しいことではなかったのですね。NASAの探査機ガリレオさんが、衛星を持った小惑星を初めて見つけてくれたときは、ずいぶんびっくりいたしましたが。
ありとあらゆる観測手段を使って見つけた小惑星たちは、何回も観測されて軌道を推定されていくの。観測条件にもよるけど、単純にいえば、何回も観測すればするほど、軌道の予想制度は上がるわ。だから、地球にぶつかるかもしれない小惑星たちが見つかったら、それらを更によく観察するのよ。そうやって見つかってしまうかもしれない、地球に衝突する可能性の高い小惑星たちを、どうやったら避けられるかという研究もあったわよ。具体的には、計画的に小惑星を地球と衝突しない軌道に押しやる方法が提案がされているそうですよ。
もちろん、隕石そのものの研究、流れ星の研究、その他、ありとあらゆる太陽系小天体に関する議論が行われたのよ。本の一部しか、ご紹介できないのが残念です。
これからの小天体探査に関するセッションも行われていて、もちろん、はやぶさ2君やはやぶさマーク2の進化型の紹介があったわよ。外国の探査案も目白押しです。とてもわくわくしますよね。
そんな興味深い口頭発表が次々と続く公演会場の入り口横には、「はやぶさ」と「はやぶさ2」のポスターが貼り出されていましたよ。ポスターは英語でサイズも大きいので、オリジナル版とともに、サムネイル版、日本語版なども合わせてご紹介させていただきたいと思います。ただし、量が多いので、準備が整い次第、順次ご紹介させていただきますね。表題を合わせて、全部で11枚ありますよ。詳しくはこちらをご覧くださいね。
ACM2012 「はやぶさ」と「はやぶさ2」の展示コーナー紹介(はやぶさ帰還サイト)
はやぶさ君のデータや、微粒子君たちのデータの解析は、たくさんの研究機関とJAXAとの共同研究という形で行われているわ。最後になりましたが、その成果を帰還ブログにも転載することに快く同意してくださったポスター制作者の皆様方に心から感謝申し上げますよ。(ばあや)
2011/06/27 19:25 JST: キュレーション情報(6/27)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
・5月26日、千葉県幕張メッセ国際会議場で行われた日本地球惑星科学連合大会において「はやぶさ」サンプルの分析関係の特別セッションが開催され、多数の聴衆に対して初期分析の結果が報告されました。また、セッション終了後、主要な成果の記者説明会が行われました。
・初期分析は現在も続行中ですが、成果の一部は既に論文として投稿され、査読中です。
・サンプルキャッチャからの回収状況としては、ひとまず、A室からB室のサンプル回収に移行しています(6月中旬)。具体的には、B室を反転、自由落下法で石英皿上に採集された微粒子のピックアップとSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を実施しています。現在、十数個の微粒子が岩石質と同定されています。
・初期分析は現在も続行中ですが、成果の一部は既に論文として投稿され、査読中です。
・サンプルキャッチャからの回収状況としては、ひとまず、A室からB室のサンプル回収に移行しています(6月中旬)。具体的には、B室を反転、自由落下法で石英皿上に採集された微粒子のピックアップとSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を実施しています。現在、十数個の微粒子が岩石質と同定されています。
2011/05/16 18:00 JST: キュレーション情報(5/16)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
東日本大震災以降のキュレーション関連作業の状況をお知らせします。
1) 3月11日、東日本大震災が発生し、キュレーション作業にも大きな影響が生じましたが、相模原キャンパス内のキュレーション設備には特段の被害はなく、保管中のサンプル/微粒子は全て無事でした。また、初期分析のために大学等で保管中であった微粒子も全て無事でした。
2) 3月中、キュレーションセンターは東京電力株式会社が実施する計画停電の影響下にあり、定常的なキュレーション作業を一時停止して微粒子の保全作業を優先していましたが、4月初めに計画停電の中止が発表されて以来、定常作業に復帰しています。
3) 3月以降に回収された微粒子の数は凡そ30個です。その一部を、初期分析のため、それまで未分配であった研究機関に分配しました。残りは、NASAへの分配および国際公募(AO)に供するため、あるいは、将来の分析用に使用される予定です。今後、それらのためにサンプルを増やす必要があります。
4) 現在はA室の反転・落下法で石英皿上に採集されたものからの回収を続行していますが、近い将来、B室からのサンプル回収に移行する予定です。
5) 5月下旬に千葉県幕張メッセ国際会議場にて開催予定の日本地球惑星科学連合大会において、「はやぶさ」サンプルの分析関係の特別セッションが予定されています。
1) 3月11日、東日本大震災が発生し、キュレーション作業にも大きな影響が生じましたが、相模原キャンパス内のキュレーション設備には特段の被害はなく、保管中のサンプル/微粒子は全て無事でした。また、初期分析のために大学等で保管中であった微粒子も全て無事でした。
2) 3月中、キュレーションセンターは東京電力株式会社が実施する計画停電の影響下にあり、定常的なキュレーション作業を一時停止して微粒子の保全作業を優先していましたが、4月初めに計画停電の中止が発表されて以来、定常作業に復帰しています。
3) 3月以降に回収された微粒子の数は凡そ30個です。その一部を、初期分析のため、それまで未分配であった研究機関に分配しました。残りは、NASAへの分配および国際公募(AO)に供するため、あるいは、将来の分析用に使用される予定です。今後、それらのためにサンプルを増やす必要があります。
4) 現在はA室の反転・落下法で石英皿上に採集されたものからの回収を続行していますが、近い将来、B室からのサンプル回収に移行する予定です。
5) 5月下旬に千葉県幕張メッセ国際会議場にて開催予定の日本地球惑星科学連合大会において、「はやぶさ」サンプルの分析関係の特別セッションが予定されています。
2011/04/04 19:13 JST: キュレーション作業は一時停止中(3/31)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
東日本大震災により被災された多くの皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。
「はやぶさ」カプセル等のキュレーション作業は、相模原キャンパスが東京電力が実施する計画停電の影響下にあるため、微粒子の保全作業を優先し、キュレーション作業を一時停止しています。
「はやぶさ」カプセル等のキュレーション作業は、相模原キャンパスが東京電力が実施する計画停電の影響下にあるため、微粒子の保全作業を優先し、キュレーション作業を一時停止しています。
2011/02/28 17:48 JST: キュレーション情報(2/28)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
引き続き、大学などで初期分析が実施されています。初期分析結果の一部は米国ヒューストン近郊で3月7日から開催される第42回月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference)の「はやぶさ」特別セッションで報告される予定です。
また、キュレーション設備では、走査型電子顕微鏡(SEM)などの保守点検作業を順次実施し、今後の分析(初期分析、国際AO等)に供するための試料回収作業を行っているところです。
また、キュレーション設備では、走査型電子顕微鏡(SEM)などの保守点検作業を順次実施し、今後の分析(初期分析、国際AO等)に供するための試料回収作業を行っているところです。
2011/02/16 18:21 JST: キュレーション情報(2/15)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
初期分析として、今回予定していた約50個の試料配布を終え、現在、大学等で分析が順次実施されつつあります。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)の中で操作できるマニピュレータが新しくキュレーション設備に納入され、現在その機能試験が行われています。機能試験の様子は写真をご覧下さい。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)の中で操作できるマニピュレータが新しくキュレーション設備に納入され、現在その機能試験が行われています。機能試験の様子は写真をご覧下さい。
2011/02/03 12:34 JST: キュレーション情報(1/31)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
1月17日にお知らせしたように初期分析が開始されました。1月21日からSPring-8、次いで、高エネルギー加速器研究機構の放射光施設を利用した分析が行われています。今後、各大学等における分析も順次始まる予定です。
一方、電子顕微鏡の中で操作できるマニピュレータが相模原のキュレーション設備に納入され、その機能試験が開始されたところです。
一方、電子顕微鏡の中で操作できるマニピュレータが相模原のキュレーション設備に納入され、その機能試験が開始されたところです。
2011/02/03 12:21 JST: キュレーション情報(1/17)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
A室から自由落下法で採集された微粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)観察を引き続き実施中です。これまでに総計50個程度が岩石質と同定されており、これらの粒子を選別して初期分析を始める事とします。分析機関等の情報はプレスリリースを参照して下さい。
2010/12/28 12:02 JST: キュレーション情報(12/27)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
キャッチャーB室から、自由落下法で石英皿の上に100個程度の微粒子を採集しました。
今後、B室内の状況を更に調査する予定です。
また、 A室から自由落下法で採集された微粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)観察を引き続き実施しています。
これまでに30個程度が岩石質と同定されています。この状況から、初期分析が1月下旬から可能になると期待されますが、決まり次第、またお知らせします。
今後、B室内の状況を更に調査する予定です。
また、 A室から自由落下法で採集された微粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)観察を引き続き実施しています。
これまでに30個程度が岩石質と同定されています。この状況から、初期分析が1月下旬から可能になると期待されますが、決まり次第、またお知らせします。
2010/12/14 14:57 JST: キュレーション情報(12/13)
Category: News_jp
Posted by: HayabusaLive
前回、A室から光学顕微鏡で観察できる程度の微粒子が多数(数百個以上)新たに採集された事を報告しましたが、その中で初期分析に供する可能性のある粒子を判定するため、現在、SEM分析を行っているところです。今のところ、20個程度の分析を行い、その半数が岩石質と同定されています。
併せて、B室の開封作業を実施し、目視検査を行いました。その結果、B室内部の様子はA室開封時とほぼ同じ状況です。なお、現在は上記のSEM分析を優先していますが、今後、B室内のサンプル状況の調査を開始する予定です。
併せて、B室の開封作業を実施し、目視検査を行いました。その結果、B室内部の様子はA室開封時とほぼ同じ状況です。なお、現在は上記のSEM分析を優先していますが、今後、B室内のサンプル状況の調査を開始する予定です。
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