先と同じく、系は
系の
軸方向に、
に対して速度
で動いているとする
。
物体の運動も、
系から見て
軸方向とし、その速度を
とする(
)。
系から見た物体の速度を
とする。
また、
とする。
ローレンツ変換の式(120)と、四元速度の定義(137)から、
日常生活においては、
物体の移動速度は光速に比べてはるかに小さいので、と近似してよい。すると
上式は
と言う、見慣れた式になる
。
のときには、
の値には関わらず、
になる。これは光速度不変の原理に他ならない。
,
としてみよう。非相対論的に考えると、
系から見て、物体は
で遠ざかっていくことになるが、そんなことは実際にはありえない。
式(143は、
を与える。物体の運動の速度が光速を越えることは
ありえないのだ。